第6話「UFO研究会」
UFO研究会…それは休日に仲間どうしである程度だべったあと、
一応、地球外知的生命体との交流をはかる研究会である。
「よし、一月ぶりにアレ呼び出すか。」
ポテチの袋を屋上の隅に放り出すと、会長はだるそうにそう言った。
そうして、会員たちは皆おのおの輪になって手をつなぎ始める。
「いくぞ、ベントラー、ベントラー…。」
会長がやる気なくそう言うと、ほかの会員たちもそれに唱和する。
一応、彼らは知的生命体の存在は認知していた。
そう、最初こそ彼らは知的生命体の探求に燃えていたのだ。
しかしながら、
ある出来事をきっかけに彼らの探究心は急速に萎えていった…。
「ベントラー、ベントラー…。」
しばらくすると、空からUFOの姿がおりてきた。
銀色の機体、円盤状の浮遊物体。
それは、模型でも気のせいでもない実在する物体だ。
「…あー、今日はアダムスキー型かあ…。」
会員の一人がそうつぶやく。
すると、UFOはいきおいよく彼らのもとを通り過ぎ…
タケシの兄の家の上につくと、
タケシの兄を吸い上げて、
…そして、もとの空へと戻って行った。
そう、いつもこうなのだ。
なぜかUFOと交信しようとも、
相手はタケシの兄を吸い上げるばかりでこちらには接触しようとしない。
「…よし、打ち上げついでにカラオケにいくか。」
それを見届けた会長は、いつものように大きく伸びをした。
仲間の会員も片付けをはじめる。
そうして、彼らはきれいに掃除をしてから、屋上を後にした…。
これが、12年以上続くUFO研究会の現在の姿である…。
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