第12話 君と共に

俺たちはいつも通りに学校の帰り道を西沢と一緒に歩いて帰っていた。


「西沢ちょっといいか」

「どうしたんですか?新城くん」

「あのさ、ちょっと寄っていかないか?あの場所に」

「あの場所ですか?」

「そうだ、俺たちが始めて一緒に遊びに行ったあそこだよ」

「えっと、それはカラオケの場所…ですかね…」

「違う違う、あこだよ師走テーマパークだよ」

「師走テーマパーク…」


俺たちはいつも通る帰り道から外れてそのままテーマパークへと

向かった。当然夕方遅くだし平日だから人はいなかった。


「新城くん、ここは」

「そうだよ。俺たちは始めて一緒に遊びに行こうとした場所だよ」

「うん、そうだね…」


沈んでく夕陽が辺り一面を照らしていた。


「なあ、俺たち今までずっと一緒に歩いてきたよな」

「うん」


「俺はお前とずっと一緒にいられて毎日すごく楽しかったんだ。

俺の日常は確かに何もないかもしれない。でもお前がいたから

ずっと楽しかった。だから俺は…お前の側にずっといたい」


「うん。私もかつやくんと毎日過ごせてすごく楽しかった。

いつも家に来てくれて一緒に話してくれて部活も待ってくれて

だからすごく楽しかったんだ…。だから私も側にいたいです」


こうやって…俺たちは1つ1つお互いを理解し合いお互いの

大切さを知る。そりゃさ、時には俺たちだって喧嘩をしてさ

お互いのことを嫌いになる時だってくるかもしれない…。


でも私達はお互いに一緒にいたいと思うから

どんなことがあってもそこには大きな絆があるんだよね。

嫌いになってもまた好きになればいいんだから。


そこに大きな感動や涙が無くたって俺たちは共に歩んでいきたい。


かつやくん、君のことが分かって私も分かったんだ。

私は最初は私がお互い幼馴染だから側にいてもいいのかなって。


俺たちは確かに幼馴染だった。だけどお互いの優しさや

想いを知ったからこれからもずっと側にいたいって。


だからこそ私は知りたかったんだ。

いやこれからも知りたいんだ。

そう。「君を」












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