第11話 君を知りたくて
今日の部活の帰りにいつも通りに
俺と西沢は帰り道を歩いていた。
「今日は楽しかったですか」
「ああ、いつも通りの楽しい1日だったよ」
「それは、よかったです」
西沢はまだ千秋の演技を続けていた。
そう、最初から俺は無意識の内に気付いてたんだ。
どんな出来事があっても西沢は西沢だって。
人はこうやってお互いを知ることで相手がどういう人間かを
理解しあえる生き物だと今日分かったんだ。
時に人は相手のことが分からなくてそれを人格の入れ替わりとか
中身が入れ替わったと錯覚を起こし、
そんな現象が本当はあるかもしれないと思ってしまうこともあるんだと思う。
だから人格入れ替わりみたいな言葉が存在するのかもしれない。
でも、本当はそんな現象なんて現実に起きてなんかいない。
そして人は相手のことが分かれば、一緒にいたい。話したい。遊んでみたい。
と心の底から思うから。
だからこそ人は、いや俺も思うんだ。
確かに互いに共に生きるきっかけは「好き」の一言で始まるかもしれない。
でもその過程は「好き」じゃないのかもしれない。
俺は思うんだ。もしかしたらそれは
「君のことを知りたい」という想いからじゃないのかな。
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