第8話 君が何者でも
「おはようございます。新城くん起きてますか?」
今日はいつもよりはやく朝早くから西沢は来ていた。
「ふぁぁ、眠い…。ああ、今行くな…」
「私もしかして来るの早かったですか?」
「いや、大丈夫だ。すぐ支度するから」
なるべくはやく済まそうとしたが、
5分も支度に手間取ってしまった。
「悪い!こんなに時間かかって」
「い、いえむしろ早いぐらいですよ」
「あははは…そ、そうか」
今日もいつも通り今いる西沢と学校へ登校した。
昨日よりも少し口数が増え、昨日より硬い雰囲気がましになった。
そしてその日の昼休みはいつも通り千秋と話すことにした。
部活に入ったばかりで、今どんな状態か気になっていた。
「よお、千秋今いいか?」
「し、新城くん。うん。い、いいよ〜」
「あ…最近は部活の方は調子どうだ?」
「そ、そうだね〜千秋さんはいつも楽しいって言ってたよー」
「そうか、よ、よかったよかった」
「それとね、えっと1つ聞いていいかな〜?」
「どうかしたのか?」
「に、西沢さんのことをどう思ってるのかな〜って…」
「そりゃ、千秋に言わなきゃだめか?」
「いえ、そんなことは…。む、無理ならいいんだよ〜」
何というか千秋はどこかぎこちないような雰囲気だ。
まあ、よく考えてみれば当然だった。
今日の放課後も昨日と同じように佐野はクラスへやってきた。
「えっと〜その新城くん、今から部活へ行こっか?」
「そうだな、行くとするか」
俺と佐野は2人で部室へと向かっていった。
「そういえばさ、かつやくん。聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「何だ?何が聞きたいんだ?」
「もしもさ、私たちが一生入れ替わったままでさ、
中身は西沢でも姿が別の人だったとしたらさ。
あんただったらどうする?」
「そうだなぁ、姿が例え変わってしまったとしてもさ側にいることは
できるだろ。それは友達としても、恋仲としてもだ。例え俺たちの関係が
変わってしまっても、側にいることはできるだろう」
「そ、そうだね。西沢が諸星さんになっても一緒に暮らせばいいよね」
「いや、同棲は流石に生理的に無理だが親友としてそばにいることは
できるだろ」
「はは、そっか。分かってたよ。冗談だ冗談。それであんたはこれから
どうする」
「部室によるよ。ちょっと話したい人がいるんだ」
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