さよならの詩
君が吹き飛んでいった。
砂糖菓子のように甘い声の余韻がまだ耳に残っていたのに。銃声のように残酷な音が全部かき消した。
ぽつりぽつり。
点々と雨の跡が付いた線路を辿る。
ぽつりぽつり。
淡々と君に言いたかった言葉を零す。
君を見つけて抱きしめた。
彼岸花のように赤い花が咲き乱れているのに。人形のように動かない君には見せられなかった。
ぽつりぽつり。
点々と涙が君を汚していく。
ぽつりぽつり。
淡々と君の名前を呼ぶ。
ねぇ知っているかいみんな。彼女の名前はちゃんとあるんだよ。
ねぇお願いだよみんな。彼女をマグロだなんて言わないで。
あぁもうおしまいだ。
きらりきらり。
煌々と赤いランプを光らせてきた白い車に、君は乗せられて行った。
きらりきらり。
朗々とした君の声はもう二度と聞けない。
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