マグショッツ1
『殺人鬼』
殺人を愛好し、溺れ、ついには人でなくなった人間たち。文字通りの、鬼。
殺しを繰り返すごとに肉体の機能が最適化されていき、人間は鬼へと変わっていく。
結果として、殺人鬼は自らの行う殺人に適した新能力を獲得する。
仮に、焼殺を好む者が殺人鬼となれば、マッチも油も使うことなく人体を燃焼させる術を身に付ける。
殺意がそうさせるのか、あるいは罪がそうさせるのかは不明。あるいはこれも進化というのだろうか。
ただし、彼らの誰もが模倣犯にすぎない。歴史を紐解けば必ず先人=類型がある。
オリジナリティなどない、安っぽいイミテーション。
あらゆる殺人に自己満足以上の価値はない。
【
殺人鬼、兼フリーター。およそ20歳。
基本的にローテンション。大人しく、口数少ない。他者からはしばしば人が好さそうと評されがち。
とはいえ本質はどうしようもなく人殺し。嗜好として殺人を好む。他者の命も娯楽の材料くらいにしか認識していない。
遊汰自身は節度をもって行動していると自負しているが、非人間的であることは疑いようもない。
ただし、そこに凶暴性はない。純粋に殺人という行為そのものを好んでいる。異端の鬼。
類型は「イスカリオテのユダ」。
灰は灰に。塵は塵に。土は土に。死すべきを
『
――詳細不明。曰く、死にたがってるかどうかが分かるとか。
【
殺し屋、兼女子高生。17歳。
感情表現に乏しい少女。無感情ではないが無愛想。悪印象を与えがち。
己の殺人嗜好を確かに飼い慣らしており、無闇やたらに殺すことは好んでいない。
非常に理性的だが、必死に自己を抑え込んでる節がある。理性的な行動そのものを己を理性的たらしめるタガとしているのかもしれない。
また、自分の名を嫌っている。理由は本人にしか解らない。
類型は「明智光秀」。
斜に構えた幼童。殺すと定めれば必ず殺す。愛を求め、しかし愛されることはない。
『
――投じたモノを必ず命中させることができる。
――投擲さえできれば何でもよい。何でも。
――条件は的を目視していること。
――翻して、見えないモノ・見ていないモノに中てることはできない。
【
殺人鬼、兼中学校教師。32歳。
向上心と自制心を持ち、それでいて遊び心を忘れていない人物。少年のようで、青年のようで、また壮年のようである。
非常に好意を持たれやすいようで、他者といがみ合うことが滅多にない。友人たちは彼が怒る姿を見たことがないという。
本質としては、『怒る』という機能を退化させただけ。他者との軋轢を嫌い、怒りを抑えて生き続けた結果、怒り方を忘れている。発散させず、溜め込み続け、いずれ爆発する。
大人の肉体を大人の理性で操りながら、常識だけが子供のままということか。
類型は「アンドリュー・キーホー」。
偽悪を気取る偽善者。了見は狭く、しかし純朴。真っ直ぐに走り、曲折を学べない。
『
――自動車で他者を轢き殺す。
――彼が乗車した自動車はそれ自体が一個の凶器へと変貌する。
――頑強で、最速で、悪辣。戦車も装甲車も
――謂わば、鋼鉄の柩。止まる時はそのまま終わる時である。
【マナ・ベネット】
殺人鬼、兼中学校教師。31歳。
イギリスの出身。ネット文化に触れる中で日本に魅了され、日本で暮らすまでに至った。
どことなく子供っぽさがあり、それゆえか子供と仲良くなりやすい。教師は天職だったか。
好物は
しかし、他者を思いやりながらも、いざともなれば当然のように自分を優先する。どこまでも彼女は子供じみている。鉄矢と波長が合ったのも当然だっただろう。
類型は「松永久秀」。
人目を惹かずに生きられない華。しかし花弁は焔。ついには万象諸共に燃え尽きる。
『
――触れたモノを爆破することができる。
――炸裂の威力は彼女が対象にどれほどの思い入れがあるかによって決定される。
――路傍の石では爆竹程度だが、好物の
――仮に威力を追求すれば、いずれはかけがえのないモノさえ失わざるをえない。
――非常に破滅的、かつ刹那的な能力といえる。
か にばる グラップリン @1km0x
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