第6話 鬼の里 part4  もう1人の俺

僕達は今鬼の里に戻ってきた。

ん?家に帰ったシーンはないのかって?

家に帰る時はほとんど来た道を帰るだけだし、家に帰ったら普通にご飯食べて、お風呂入って、布団に入って寝ただけだから特に何も無かった。

と、いうわけで、今現在鬼の里の青叉の家の庭にいる。

そして、その庭のど真ん中には、大体10mはあろうかと思うほどの大きさの筋肉盛々マッチョマンの鬼だった。

僕と沙希は首が後ろに落ちるんではないかと思おうほど上を見上げていた。

青叉「・・・ねぇ、颯澪。」

僕「・・・何?」

青叉「これ・・・動かせるかな?」

僕「・・・頑張れば、大丈夫・・・かな?」

沙希「・・・ぷ、あはははははは!青叉、いくら何でも大きすぎないかえ?」

青叉「僕も、そう考えたんだけどね。一番大きい人形がこれしかなかったんだ。」

僕「・・・これが・・地下に?」

沙希「鬼狩家の地下は結構広いからのう、こんなのまだ小さいほうじゃと思ぞ?」

僕「これより、まだ大きいのがあるの!?」

青叉「うん。一番大きいのは第5層の広間だったよ。」

僕「へぇ~・・・まぁ、とりあえずこの大きさに合うお守りを作らないとね。」

沙希「じゃな。それで、儂等は何をすればいいんじゃ?」

僕「うん。それがね・・・」

沙希「ん?何じゃ何じゃ?早う言わんか。」

青叉「そうだよ、颯澪。早く言わないと何もできないよ。」

僕「・・・うん。それが、もう・・・出来てるんだ。アハハハハ。」

沙希・青叉「「・・・え?」」

僕「あ、アハハハハ。だけどね。これには欠点が合ってね。」

沙希「・・・はっ、何じゃ?欠点とは?」

僕「それは・・・・・一度発動した人じゃないと操作・・・できないんだ。」

沙希「なんじゃ。そんなことか。それなら、一番適正なのは青叉、お主じゃな。」

僕「・・・え?何で?」

青叉「だね。僕なら遠隔操作系は得意中の得意だし。」

沙希「そういうことじゃ、颯澪。それ、まだ隠し事あるんじゃろ?言ってみ?」

僕「・・・ハァ、欠点が後何個かあるんだよ。辛いことに。」

沙希「ハァ・・・颯澪、この世界に完璧なんて者は1人として居ないんじゃよ。

それで?その他の欠点とは何じゃ?」

僕「・・・1つ、遠隔操作だとジャミング効果がある妖怪で操作が出来ない可能性がある。2つ、このお守りは人形の大きさに比例する程の力が必要。3つ、これが剥がれた場合、もう1度同じ場所に置かないと行けない。そうなった場合、もし、別の誰かがそれに力を入れた場合、その別の誰かの手になってしまう。今の所分かっているのはそれぐらい。」

青叉「・・・うーん。結構少ないように見えて、内容が凄いね。」

僕「うん。出来たと言っても、欠陥ばかりの未完成品なんだよね。」

沙希「・・・・なぁ、颯澪。」

僕「ん?どうしたの?」

沙希「どうやってその欠点を見つけたんじゃ?儂や頼光や他の奴にも話しておらんのじゃろ?」

僕「・・・・・・。」

沙希「これ、こっちを見んかい。ちゃんと話しい。」

僕「・・・・・これだけは言えない。」

沙希「・・・ハァ、何でこんな所で意地を張るんじゃか・・・。」

青叉「まぁ、颯澪にも何か事情があるんだよ。鬼神家は色々と謎が多いから。」

沙希「・・・そうじゃの。まぁ、ここまで意地を張るんじゃ、余程のことがあるんじゃろう。・・・さて、颯澪。それを何処に置くんじゃ?」

僕「・・うーん。一番硬い場所の中心に置いた方が安全だけど・・・何処が良いと思う?」

青叉「うーん。一番硬そうなのは・・・・胸筋の真ん中・・・心臓の部分かな?」

沙希「じゃが、どうやって入れるんじゃ?」

僕「あ、それなら青叉、これに力を注いで。」

青叉「ん?はい。・・・え!?」

青叉がお守りに力を入れると、お守りは突然光だし、青叉の手の上でクルクル回っていた。

お守り「主の認識を確認中・・・認識、完了・・・名前・鬼狩青叉・・・登録、完了・・・依代を確認中・・・完了。依代・第0四天王・豪鬼ごうき人形。・・・

依代の体内に接続します。・・・接続完了。主、命令を。」

お守りは青叉の手の上でクルクル回りながら謎のウィンドウが出て、何かやっていた。

沙希「・・・!?第0四天王!?・・・あ奴をモチーフにしてたんか。なるほど、さっきからすごい違和感あったんじゃが、やっと消えおったか。」

それから、お守りはウィンドウだけを残して、そのまま人形の中に入って行った。

僕「・・・何このお守り、僕こんなの作った覚えないよ?」

青叉「・・・え?これ、颯澪が作ったんじゃないの?」

僕「ううん。僕が作ったのはさすがにここまでの物じゃないよ。それが出来るのは神ぐらいじゃない?」

沙希「神・・・鬼神・・・お主、神じゃないのかえ?」

僕「アハハハ、鬼神家って言っても、特に何もない普通の家庭だよ。」

沙希「うーむ。こうなったら、頼光に聞いてみるのも手かのう。」

僕「それが良いと思うよ。僕はあまり、家族については知らないし。それより、どうする?これ。」

僕達は一回人形を見上げた。

青叉「・・・一回操作、してみるね。」

僕「・・・うん。お願い。」

青叉はウィンドウ相手に何かしている様だ。

僕達には何も出来ず、ただ、見ていることしか出来なかった。

青叉「・・・・出来たよ。これで、里の様子やこの人形の遠隔操作も出来る様になった。これで・・・良かったんだよね。」

僕「うん。・・・・青叉は僕の所に本当に来るの?」

青叉「・・・・うん。僕が決めたことなんだ。これは我が儘かも知れないけど、良いよね?」

僕「うん。その我が儘、僕が受け止めよう。青叉。・・・これからよろしくね?」

青叉「うん。よろしく。颯澪。」

沙希「・・・さて、これで、里の連中も安心できる様にはなったか・・・さて、

颯澪!そろそろ帰るぞ。」

僕「うん、今行く!・・じゃぁ、青叉。・・・一緒に帰ろうか。」

青叉「うん。帰ろうか、颯澪。」

2人は仲良く手を繋いで、沙希の後を追った。

沙希「・・・まったく、妬けるのう。」

沙希のつぶやきはそのまま、風となり、何処か行ってしまった。


頼光の屋敷・現在夜の7時

頼光「・・・はぁ、事情が分かりましたが、さすがに何もしないと言う訳には行きませんが、それでもいいですか?青叉童子?」

青叉「うん。こんな我が儘を頼むんだよ。それ相応のことをしないと行けないことは分かっている。」

頼光「そう・・・殺。」

殺「はい。ここに。」

何時からそんな処に居たのか分からないほど、気配が無かった。

頼光「また新しい住人が増えたから、役割分担・掃除の仕方・部屋の割り当て、

よろしくね。」

殺「分かりました。・・・青叉さん、お話があるので別室に行きましょう。」

青叉「あ、はい。分かりました。」

殺と青叉はそそくさと出て行った。

頼光「・・・・・・・颯澪?待ちなさい。」

僕「ビクッ!・・・・何ですか?」

頼光「いいえ?最近、よく鬼の娘を誑かす様になったじゃない?嫉妬しちゃうわよ~?」

僕「そ、それは、成り行きと言いますか、何と言いますか。アハハハハ。」

頼光「・・・・・・まぁ、だから・・・なんでしょうね。」

僕「・・・え?」

頼光「いいえ、何でもないわ。ほら、もう遅いんだから寝なさい。」

僕「え、あ、はい。お休みなさい。」

頼光「ええ、お休みなさい。」

スーと言う音とともに颯澪は自室に向かった

頼光「・・・ねぇ、春桜しゅさくら、貴女は私に何をして欲しいの・・・?」

頼光の呟きは蝋燭の灯と共に何処かに行ってしまった。


廊下

沙希「・・ふぁぁ~・・・眠いのう。颯澪の所にでも行くかのう。・・・・・?」

沙希は先ほどまでお付きの鬼達とお酒を飲んでいて、ちょうどさっき終わらして来て、睡眠をしようと思って颯澪の部屋に行こうとしたのだが、なぜか違和感を覚えた。

沙希「・・・・声?」

何処からか小さいが声がした。

「・・・か・・・め・・・・ご・・・・め。」

・・・かごめかごめか?

こんな夜中に誰じゃ?

沙希は気になったので、小さいながら聞こえる声を頼りに歩いて行った。


それから大体5分くらい廊下を歩いたり階段を上ったりとしていると、

沙希「・・・ん?ここから先は確か最上階のバルコニーしかないはずじゃが。」

そして、バルコニーに来たが、そこに人影1つもなかった。

沙希「・・・気のせい・・・じゃったのか?」

「か~ご~め~・・・か~ご~め~♪か~ごな~かも~の~わ~♪い~つ何時い~つ何時で~や~る♪お~にび鬼火~♪た~まし~いさ~まよ~う彷徨うも~の~わか~げも~の~に~♪」

沙希「・・・・ん?そこに居るのは颯澪か?」

沙希は外から聞こえた声が颯澪に似た物だった。

そして、沙希はバルコニーから外に身を乗り出したが、何もなかった。

こ~わ~ね声音をと~ら~れ~♪あ~く~ま~悪魔お~に~に~♪す~べ~て~・・・・と~られた♪」

沙希「!?」

沙希は驚いた。

なぜ?それは・・・・


今颯澪?が歌ったかごめかごめは特定の者が歌うと呪いが掛かるからだ。

僕?「やぁ、酒呑童子。今宵は良い月だね?」

沙希は屋根の上で月を見ながらお酒を飲んでいた颯澪を見た。

所謂月見酒だ。

沙希「・・・・・・・・」

僕?「まぁ、そんな睨まないでよ。せっかくの月見酒なんだから、ほら、酒呑童子も飲みなよ。」

沙希に何処から出したか分からない酒を沙希に渡した。

沙希「・・・・・お主は誰じゃ?颯澪じゃないな?」

僕?「・・・・そうさ。じゃない。俺は鬼神颯澪のもう1つの魂。名はない。名無しさ。」

沙希「・・・名無しよ。お主は」

俺「心配しなくても、僕の方は今は寝てるさ。スヤスヤと・・・・しっかしこの体は動かしやすいな。僕の方がもう少し戦闘方面に自信を持ってくれればいいんだけど。」

沙希「・・・・お主は鬼の魂かえ?」

俺「・・・いいや、鬼の魂だが。位はもう少し上だ。」

沙希「・・・位・・じゃと?」

俺「そうさ。俺達生物の魂には位がある。種族別にな。まぁ、そこは省くが。

鬼にも位はある。」

沙希「・・・・・・・」

俺「簡単に分けると、下位・中位・上位・神、に分かれる。そこら辺の小鬼は下

位。そして、大鬼が中位。さらに、四天王クラスが上位さ。」

沙希「・・・それを一体何処で聞いた?颯澪ですら・・・頼光にも言ってないから知らないことじゃぞ?」

俺「俺はその上位、言わば君の土俵に居るんだ。それくらい知らないと。」

沙希「・・・なるほど。じゃからか。それは颯澪には言ったかえ?」

俺「いいや、それにまだ僕の方には俺の存在を教えてはいない。ただ、アドバイスはしてやったがな。」

沙希「なるほどのう。お主か、あのお守りを作ったのは。」

俺「いいや、あれは僕が創ったのさ。」

沙希「ん?発音が少し違うぞ?」

俺「そりゃ、意味が違えば発音も違う。そうだろう?」

沙希「・・・作った・・造った・・創った・・・これか?」

俺「そう。僕は創ったのさ。あの効力を。」

名無しの俺は両手を大きく掲げた。

俺「すごいだろう?あれは鬼の神・鬼神酒頭鬼きじん しゅとうきに好かれている存在。すべての鬼の血を引く者に好かれる存在。だから、あんなことも出来る。酒呑童子、お前は分かっているんだろう?」

沙希「・・・・・そうじゃのう。わし等四天王全員、そんなこと分かっておる。

鬼神酒頭鬼様直々に教えて貰ったんじゃからな。」

俺「・・・そうか。じゃ、今日の月見酒はこんぐらいにして、もう寝ますか。」

沙希「そうじゃの。儂もお主と会話して、少し疲れたからのう。颯澪を抱き枕にして、寝るかのう。」

俺「・・・・僕、頑張れよ。」

それから俺達は颯澪の部屋に来て、布団に入った。

俺「・・・・それじゃ、お休み。」

沙希「のう・・・お主はずっと1人で寂しくなかったのかえ?」

俺「・・・・・・・・」

沙希「・・・そうか。どれ、儂がその寂しさを受け止めといてやろう。ほれ、

抱きんさいな?」

俺「・・・・・おう。///」

沙希「ん~?顔が赤いようじゃが、どうしたんじゃ~?」

俺「う、うるさい。・・・・・・すぅ・・はぁ・・すぅ。」

沙希「・・・随分と寂しかった様じゃのう。・・・・良い子よ良い子よ、寝んねしな~。だ~れもはにゃしゃ~せんぞ~。わ~れも良い子よの~う。」

沙希は少しだけ子守り唄を歌って沙希も睡眠に入った。

続く






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