猫城

「絶好の自殺日和」

死にたいあなたはそう呟く。

死にたいあなたは私がどれだけ止めても死のうとするのをやめてくれない。

あなたはなぜ死のうとするのだろう。

私は思う。それは大人が、親が、教師が、男が、女が、人が最低なものだから。

全員が全員とは限らない。

だけど、それでも私とあなたが会ってきた人たちは大半がそうだった。警察も、教師も親も。

「私はあなたと生きたい」

私はあなたにそうやって言う。

あなたは私に「愛してる」

そうやって言う。私は思う、私とあなたは家族以上の家族だと。

だけど、何故だろう。あなたが見てるのは私じゃなくて、あなたが望む死だと。

私はあなたに愛されて、大切にされて生きていきたい。

だけど、あなたは死を望む。

私はそれならあなたに愛されたまま、大切にされてるまま死にたいと

私は死ぬのが怖い。あなたは生きるのが怖い。

最大の矛盾を抱えたまま私はあなたと付き合っていたい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

猫城 @kojyobooks

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る