第9話 九日目

やあ、久しぶり。君は随分と暇をしているんだね。

私かい?私はまあ、同じように暇を持て余しているところだよ。

お互い様というわけだ。

さて、今日はどこへ行こうか?たまには、外で話すのもいいと思わないかい?


だからって、コンビニのコーヒーはないって?

まあ、そう言わず、飲んでみるといい。

中々いける味だろう?

さて、今日はなんの話をしたものか・・・。

そうだな、猫を拾った時の話をしようか。


それは深夜にコンビニに行く途中のことだった。行く途中といっても、アパートの隣のコンビニなんだけれどね。どうにも猫の鳴き声が聞こえていてね。自転車で草むらを照らす怪しい人物がいた。アパートの前は大きな道路になっていて、その横にある歩道と車道を区切るように草むらがあるのだが、いかんせん、女の一人暮らしのアパートの前に変質者がいるのもどうかと思ったので、何を照らしているのか確認してみる事にした。

それは、一匹の子猫だった。

ガリガリに痩せて、草むらの中で散々逃げ回ったのか、草や土でドロドロ。

見るも無残と言いようのない子猫だった。

私は思ったのは、とにかくこんな大きな道路に間違ってでも飛び出したら死ぬし、変質者に見つかって、近くの小学校に子猫の首が飾られる事件は困る!

私は子猫を無理やり草むらから引っ張り出して、家に連れ帰った。

しかし、子猫は更に大きな声で鳴き出した。

それはもう、耳をつんざくような悲鳴のようだった。

とにかく、子猫についている虫を落とさなければならない。

私は心を鬼にして、洗面台でじゃぶじゃぶと猫シャンプーで子猫を洗った。

なにせ、我が家にはウザギが二匹もいたのだからノミやダニが発生した途端、動物パンデミックが発生する!

極力、猫をうさぎには近づけさせないで、次の日の朝一番に動物病院に行った。

動物病院で言われたのが、ノミダニいるし、お腹に虫がいます。

虫下しを飲ませる事一週間。ノミダニ用のスプレーと除菌スプレーで全てを駆除しつくした。毎日、猫の通った後は除菌。ノミダニスプレー。おかげで、誰にも感染することなく、猫は健康体になった。

しかし、猫の引き取り手がいない。

子猫は可愛いし、今でもいい子だが、世の中そんなに甘くない。

しょうがないので、我が家に家族として迎え入れる運びとなった。

たまに鳴くが、いつもおとなしく、帰ってくると、すりガラスの向こうでじっと待っている姿はうさぎにはない可愛さだ。

ついでに、後をついてくる。まあ、夜の大運動会だけはやめてほしけれど・・・。


まあ、これが私の家の猫の話だよ。

今度はうさぎたちの話でもしようか。

それじゃあ、また、あの場所で。

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まあ、とにかく私におこる出来事の数々 やなちゃん@がんばるんば! @nyankonosirusi

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