塔に幽閉されて育った、美しい姫。彼女の孤独のお供は、口も利かず笑いもしない、骸骨の執事。ある日、王子が塔へ、姫を迎えにやって来た。王子に連れられて、満ち足りた城へと招かれる姫。けれど、姫は後ろ髪を引かれ続ける。心残りは、あの憎たらしい骸骨。『骸骨と姫とさめない夢』を先に読んで、『骸骨と姫』で、姫の苛立ちや寂しさに触れて、何とも言えず胸に引っ掛かる物語だと思った。少しリアルで残酷なメルヘンタッチ、すごく好き。