第2話ワンデイの午後

朝遅刻した俺は、めでたく放課後に遅刻指導を受けることになった。

この高校では遅刻指導は3日間連続で行われる。

「はぁ...面倒臭いな」

今日は帰って昨日買ったラノベの最新刊を読もうと思っていたのに。

しかし、1つ驚くことがあった。それは朝見た顔だけは知っている5人が全員揃っていたのである。

「よしお前ら今日はここの空き教室を掃除しろ。終わったら職員室に全員で報告に来い」

と生徒指導の教師は大声で言った。

「じゃあよろしく」

教師は去っていった。

そのとき1人の男子が俺に声をかけてきた。

「君は中田君だね?」

「そういう君は竹下」

知らないからあてずっぽうで言ってみた

「森下だよ!?何回か一緒に掃除したよね!?」

チッハズレだったか

「そういえばそんな名前だったな」

「結構酷いね!」

ぱっと見チャラい印象を受ける男だ。金髪に茶色の混ざった髪、耳にはピアスホール。

なんだかハイテンションな奴だと俺は思った。

「君は...森下君は何で遅刻したんだい?」

そんなハイテンションなのに。と思いながら聞いてみた。すると

「朝、お父さんがいたから日曜日なんだと思って二度寝したら普通に月曜日だったんだ。お父さん有給休暇だったんだって...」

「なるほど」

ハイテンションなのではなく馬鹿なのだな。

「楽しそうな話をしてるじゃない」

と横から話しかけてきた、赤みがかった茶髪の女。

「やぁ、畑中君」

森下が言った。

彼女も掃除の顔見知りだ。遅刻よりも校則違反でよくここに送られて来るらしい。

そんな名前だったのか。

「おっす森下。またスカートが短いってセンコーに怒られてさ」

少々古風な人らしい。てか古い。

どうやら森下と畑中はクラスメイトらしかった。

ここまで来ると残る2人も名乗り始め

「ボクは桑原です」

とイケメン(チッ)が言った。

しかし、考えてみろ。コイツは遅刻の常習犯だ。学生度は低い!(棚上げ)

「私は竹内よ」

と線の細いメガネの女子が言った。

黒髪のロングでいかにも真面目といった風貌だ。

あぁよく猫耳が似合うだろうな。

ここで俺はどうやら俺以外は全員が全員の名前を把握しているらしいことを知った。

その後は皆、真面目とは言えないが掃除をして、教師に報告しそれぞれの家へと帰って行った。

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