一章

私について

 つがい翔子しょうこ、15歳。中学三年生。

 7月16日生まれ、O型。趣味、アニメ・漫画・コスプレ。特技、どこででも寝れる。

 身長164cm、体重は秘密。


 私については、これくらいで充分だろうか。

 でもこれじゃ、一つ大切なことが抜けている。

 補足しよう。


 私には、羽根がある。



 羽根といえば、どんなものをイメージする人が多いだろうか。鳥のもの?蝶のもの?

 私の羽根は、どっちでもない。

 天使の羽根だ。


 ランドセルみたいな言い方をしたけれど、実際私の背中にはそれがある。もちろん今は引っ込めているが、その気になればいつでも出せる。

 便利だと思うだろうか?

 実際私はこの羽根を気に入っているし、両親はそのことに対して肯定的で(「すごいすごい、触らせて!!」とかいってくるくらい。どんな親だ)、なので私はこの羽根にコンプレックスを抱くことはなかったのだけれど、これはどう見ても異質なものだ。


 私は、生まれたときは周りと何ら変わらぬ赤ちゃんだった。

 それがだんだん成長するにつれ、背中に突起のようなものができていった。

 はじめは両親も、ちょっと骨の形がおかしいのだろうくらいにしか考えていなかったらしい。そのことで生活に支障が出ることはなさそうだし、放っておいたんだとか。

 今思えばなんとのんきな両親だ、と危機感をおぼえないでもないのだが、病院にでも連れていかれていたら、羽根のことが露見し、今頃は実験所送りになっていたんじゃないだろうか。そう考えると、両親ののんきさには感謝しなければいけない。


 そんなのんきな両親が、私の羽根のことに気付いたのは、私が四歳になった頃だった。

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