プロローグⅡ
予め言ってけれど、あまり面白い話じゃあない。
もしかして、いや、貴方に限ってそんなことは億が一にもないと思うけれど、まだ話し始めないのかと苛立っているかもしれない。説明が長いのは私の悪い癖だ。
もう少しだけ待ってほしい。まだ説明すべき点がある。
聞いてくれと言っておいてなんだと思うかもしれないけど、これは聞いた後は胸クソが悪くなる話だと思う。結末だって、飛び降りているというこの状況から察せられる通り、私の死によって括られる、デッドエンドのストーリーだ。
一応謎とかそういったものはすべて解決しておいたから、もやもやさせることはないが、まあ読後感は最悪じゃないかと思う。
でも、あなたには聞く義務がある。
そうでしょう?
信じる者の声には、声を傾けるのがあなただから。
もっとも、私は最後まで――最期まで、あなたを完全に信じてるというわけではなかったのだけど、まあ今となれば些細なことだ。
彼が信じたあなたなら、きっと聞いてくれるに違いない。
ああ、前置きが長くなってしまって申し訳ない。
残された時間はあと僅か。
私のあと数秒の人生を、全てこの物語に捧げる。
語りつくせるのか否かは、それこそ神様に任せるとしよう。
さあ、いよいよ語り始めようじゃないか。
私と彼らの、生きた軌跡を。
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