少女の刹那

ごぼう

序章

プロローグ

 結論から言おう。


 私は死ぬだろう。

 現在私は、マンションの17階から地上に向かって絶賛落下中だ。

 何故そんな状況にいるんだと問われれば、これまでの話をしなければいけない――問うてくれる人がいればの話だけれど。


 だから私からお願いしよう。


 私の話を聞いてほしい。


 私の生きていた証を、彼らの生きていた証を、あなたに聞いてほしいんだ。


 大丈夫、すぐ終わらせる。

 私がここから、地上に落ちるまでの数秒間だ。

 走馬灯という形になるんだろうか。

 全知全能であるあなたなら、語るまでもなくわかっているかもしれないが、それでも私はあなたへと語りかけよう。


 あなたがくれた『羽根』はつかわない。

 ほんとのほんとに最後の話だ。


 そして私がすべて語り終わったあかつきには、教えてほしい。

 あなたが何を思って、私たちをつくったのか。

 何を思って、彼らを奪ったのか。

 これからあなたに会いに行く私に、教えてほしい。


 約束だ。


 忘れないで――――



 神様。

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