第16話以降、主人公が能動的に動き出した気がします。
もちろん、今までも、彼は悩みながらも行動し続けたわけですが、「焦り」を感じたことから「強い思い」を持つようになり、急に変わった気がします。勢いが出て、より面白くなってきたと思いました。不思議系ファンタジーから、ヒューマンドラマになった感じもします。本来、こういった人間の内面を書きたい作品だったのか、とも。
このあたりから、友人二人が登場する意味、彼の家庭が貧しい設定である意味、効果が出てきました。それまでは、「友達とのシーンよりも、ミルイについて、もっと知りたいな」「この設定いらないのでは?」と思っていました。すみません。今までの感想は、読みながらのリアルタイムの感想です。
ただ、個人的には「このシーン、設定は、要らないのでは?」と思いながら読むのは、面白みに欠けると思います。
例えば、弟がいじめられて不登校なのは、家が貧しいことを書いたところで書いてしまっても良かった気がします。そして、弟が登場するたびに、主人公が弟を気にかけているという心情を出しておけば、のちのち、何か事件があるんだな、と期待できます。(長袖の上着が伏線ぽいのは感じていました。それが明らかになる第23話を考えると、弟がいじめられていたことは先に出すのは勿体ないのかもしれません)
友人二人の登場シーンは、ほぼ同時で、印象が薄いです。それぞれの「得意」が活かされて将来への道を開いていくので、登場シーンからもっと注目できる存在のほうがいいかな、と思いました。登場シーンでは「あ、お友達が二人いるんだ」くらいの印象で、どちらが何が得意なのか流し読みの感じです。
もちろん、今まで隠しておいて、一気に明かす、という書き方もあるので、なんとも言えません。
第16話。
「半井は、しっかり将来を考えているんだな、凄いな」と言い合った杉原に、抜け駆けされたような気分、ですよね。これは辛い。
半井の家でのエピソードが、今頃になって、ずーんと、効いています。
正直なところ、今まで、あのエピソードが浮いているな、と思っていました。ミルイと関係ないので。私が浅はかでした。すみません。
(テスト終了直後に、このエピソードを持ってきたかったから、テスト期間中に小鳥遊さんのエピソードがあったのかな。
でも、それなら、小鳥遊さんのエピソードはテスト前でも良かったのかな。ミルイと図書館のエピソードと時間的に近くなるから良くないのかな……。テスト後に小鳥遊さんでもいいかな。
いや、そんなことを考えては、作者側の意図で登場人物を動かしていることになるから、それはよくないな)
第17話。
主人公の弟には、そんな事情があったんですか。
今まで、なんか変な家庭だな、なんて思っていましたすみません。
貧しい家である必要ないんじゃないか、なんて。すみません。
お母さんが一生懸命働いているのに、ゴロゴロ寝ているだけの弟、というイメージがあって、勘違いしていて悪かったなぁ……なんて。
ドキドキの質がこんなにすぐ変わるとは。。胸が締め付けられる。
弟、悔しいなぁ。でも立ち向かったんだ。今はそれだけで良い。
でも、悔しかっただろうなぁ。。