いわゆる「付き合ったふりして高校生活をやり過ごす」系のラブコメディ。
しかも同じ屋根の下で同居生活だなんて、どこまでも正統派な直球勝負。ツボを突いて来るのがお上手です。
親が弁護士で、よく孤児を引き取って来る、というのも面白い設定だと思いました。見ず知らずの人間としばしば同居する、という状況に合理的な説明を付けると同時に、ラブコメで無視されがちな親の事情も伝達できています。
以前同居していた別の異性との恋愛に踏ん切りを付け、新しい同居相手との恋に生きる…という「恋の鞍替え」も少女小説の王道。
付き合うふりなのに、いつの間にか本当に好きになっている、めまぐるしく変わる状況に振り回されて戸惑いまくる主人公が可愛いです。
一人称のしどろもどろっぷりは読んでいて純粋に面白い。
水族館デートの回は特にそう感じました。
同居人の過去が終盤にかけて明かされると思いますが、どんな急展開を迎えるのか楽しみに読みたいと思います。