満面の笑み

なんとかオレンジを足して色合いを出してきてからすこしペースが上がってきた頃、時間は15:00を過ぎた。ちなみに私の今回の絵では、オレンジと青と薄ピンクしか使わないと決めたのだ。中々その様なものでも私ならできるって思ったからであって、今年こそ賞に選ばれると言う気持ちの積もった自分自身への挑戦状でもあった。

ようやく白の部分がなくなった頃、色の彩度を気にして調整にはいる。完成も勿論すぐそこで、もう少したてば16:30になっていた。

絵流たちはとさとさと自信満々に喜んでいる。健斗も笑みを浮かべあと少しとみた。

すると健斗が遠くから声を掛けてきた。

「希望。与どのくらいだー?」

「もうそろそろで完成するところだよー」

「俺はできた。あとはお前だけだ。」

近くによって来て私の肩を叩いた。きっと良い意味で軽くしてくれたんだろう。気持ちを。


「できた……。」

ようやく細かく仕上げた絵にさっきの絵流のような笑みを浮かべた。時間は17:00

皆の絵を先生に渡し、先生はコンクール開場まで車で走っていった。


「お疲れ」

「お疲れ様」

皆が帰ったあとの部室に二人で、机や椅子にこびりついた絵の具などを掃除していた。特に健斗の書いていた場所の周りには暗い色が多かったため、掃除するときにワイシャツについてしまうところだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

「長期休業」の中には恋が詰まっている 暁千鶴 @kiko_chizuru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ