思い出したあの感情

すっかり忘れていたが、今日はコンクール締め切りの日だ。皆やけに一生懸命急いで絵を仕上げている。18時までに開場まで持っていかなくてはならない。その為には、せいぜい17:30には描き終えていないと駄目な時間だった。現在は11:45。


12時になり、お昼を食べる前に皆に声掛けをした。

「後半はいよいよ最後の仕上げのみ。18時には出さなくてはいけないから、17:30には最低仕上げてね。」と言い、皆はそれぞれお気に入りの場所でお弁当を食べ始めた。健斗はご飯を食べずにまだ絵を仕上げている。後輩さ拓斗と言う子がずっと食べましょうよ。と待っている。

「健斗、休憩した方がいいよ。息抜きも必要だよ」

「ちょっとそれじゃあ間に合わないかもしれない。だからすこしでも進める。だがやっぱり休憩はとるべきだよな。拓斗いくぞ」

拓斗と話ながらいってしまった。キャンバスは持ってってしまったのでないが、確かにとなりにあるリュックを見ればあのストラップがついていた。これはなんなのか…今まですこし忘れていたが、これはあの恋について関係があるのだろうか。この、なんと言うか。取られたくないと言うのか、よく解らない気持ちが心の奥で染み付いてしまった。



12:30。お昼時間が終わり、また皆がもとの席に戻っている。私は自分のキャンパスの前に座り、筆を持った。が、私の今の絵は全く進んでいない、半分以上が白のままだった。

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