色のイメージ
「今日は無理にありがとな」
「いいよいいよ。楽しかったから。それじゃあまた明後日ね。ばいばい」
ガチャッ
ドアを閉めると、肩にたまりまくっていた力が一気に抜けた気がした。ただいまーと、気力のない挨拶を奥にいるお母さんに聞こえるように話した。やがて部屋に戻り、一日忘れていたスマホを見てみると、ラ〇ンとツイ〇ターの通知が凄く溜まっていた。
ツイ〇ターの方では、アカウントの名前が瀬戸優月なので応援メッセージやどうして!?みたいなリプライしか来ないため放置。勿論ちゃんとあとで見てるけれどラ〇ンの方は、ネットの友達、略してネッ友との会話の返事が来ていた。どれも時間が遅かったため、文に遅れてごめん。と付け足しておいた。それなりに人付き合いというのは大変なんだと知る。
朝部室に来ると、また一人だった。健斗は来ていないらしい。結構早く来たのにも関わらず、希望は準備のペースをあげていた。何せ今日はコンクール締め切り前日。皆の絵のペースは知らないが、絵流などの後輩の面倒を見ていくうちに、自分のえのことを忘れて全く進んでいなかったのだ。希望の描く絵は日が沈む頃の夕焼け空。明るいオレンジに微かに残る水色、紫を使って表現している。ちょうどいい筆が見つからなくて、家から何本かもってきたのだった。
時間はたち、時間になる頃、絵流たちが皆集まった。そしてミーティングが終わるとまたそれぞれの絵を描き始めた。チラ見のつもりで健斗をみるとなにやら水色と青、そしてすこし暗めの灰色などを使っていた。海にいったから青色が使われているのか、とも思ったが普通に考えるに当たり前のような感じだった。それと同時に先日のストラップのことを思い出す。あれは結局なんだったのか解らないままだ。友達にもらったのだとしたら、もっといえば女子からもらったのならば…と考えたとたんものすごく心のなかが締め付けられていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます