遊び疲れた後の謎の胸騒ぎ
「よし、希望。あそこまでいって立ってみて。」
「あそこって……砂浜のこと?いいよ」
健斗がしばらく海を見つめていたことに、まだまだ知らないことが多いんだなと実感した。
橋の横にあった階段を降り、橋が見える場所まで移動すると、健斗に手を振った。
「 ここで良いのー?」
と、橋の上まで叫ぶと、そこですこし待っててくれ。と返してきた。私は久しぶりの海で懐かしかったので、健斗の用がすむまで海を眺めて待っていることにした。すると、急に潮風が吹き、私の麦わら帽子が奥の砂浜まで飛んでいってしまった。私は走って追いかけるとた近くの場所で防止が落下してくれた。私はしっかり被り直すと、元の位置に戻った。健斗が今の光景に笑ってこっちを見ていた。
気付けばもうすっかり夕方だ。
如月駅に帰るまでの10分間。二人はぐったり疲れたようにゆっくりあるいた。健斗があのあと、海まで降りてきて暫く海と砂浜で遊んだのだ。
塩水をかけてしまったせいで私たちの服はびしょ濡れだ。だが、それも一つの思い出となるだろう。私はもらったゼリーを飲みながら、コーラを飲んでいる健斗のまた隣を歩いた。
「ご馳走様。おいしかったよありがとう。」
「お前がもう少し大人だったらコーラ飲めたのにな」
「大人じゃないんじゃなくって、炭酸が苦手だから飲めないの~!」
冷やかし合いながら、楽しみながら歩いた。走った。如月駅につくと、いったんコンビニへよった。アイスを買い、電車に乗る。そこでアイスを二つに割り、ゆらゆら揺られながら電車が進みだした。
「それで、結局何がしたかったの?」
「それここで教えるか?それは勿論、絵が賞に選ばれてからのお楽しみだな」
なんでよ~。と笑いながら付くまでの時間を味わった。帰宅ラッシュなのか亦部に近づく耽美に中の人が多くなっていっている。
「そうだ。希望」
すこしぼーっとした後、健斗がいった。
「お前さっき、砂浜で転んで怪我したろ。そんなこともあろうかと絆創膏持ってるから、使っとけ」
どうやら健斗は私の肘の怪我を心配してくれていたみたいだ。砂浜で走っていたら転んだのだ。恥ずかしいことだがここは認めざるを得ない。
言葉に甘えて絆創膏を肘に張った。強く引っ付いてしまったため地味に擦れるといたい。
亦部駅につくと、家まで歩き出した。
健斗の鞄に入っている謎のストラップをずっと気にしていた。あれはなんだろう。自分で選んだものではなさそうだった。誰かからもらったものだろうか……と。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます