忘れん坊
次の日、8月に入り部活の皆もコンクールの絵に力を入れていた。そう言えば今日今まで健斗の姿を見ていない。私は近くに住んでいる後輩___桜庭絵流に聞いてみた。
絵流ちゃん曰く、今日は熱でお休みらしい。……どうして今まで話さなかったのかな!?今13:00だよ?始まった時間9:00なんですけど!しかもお昼御飯も食べちゃったよまったくもう…
「忘れてましたごめんなさーい!」
「次からは来たらすぐにいってよね~?」
はーい! 元気な挨拶を聞いたあと、私はまたキャンパスの前に座った。
そう言えば絵流ちゃんは去年大きな事件とも言えることに巻き込まれていることを思い出した。
たしか……『パンダヒーロー事件』だったと思う。そのまた一年前に急に四人が深夜に行方不明になって、隅から隅まで探しても見つからなかったけれど、一年後帰ってきて、感動の再開を果たしたあと事件に関して聞くと、私はパンダヒーローとしか答えなかったことからこの名前がつけられたんだった。でもそれ以外は普通に暮らしているところがまた不思議だなと思う。………そうそう。この事件の行方不明者のなかには來末の双子の優月もそうだったな……。あ、瀬戸優月の名前の由来にした訳じゃないけどね…!!たまたまなんだけどね。___余計なこと考えていたら、いつの間にか手が止まっていた。確かコンクールの締め切りは8月11日。丁度あと11日後、時間がない。急がなくちゃ。それで何故かは離れないものは離れない。そう言えるようなことが一つだけあった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます