構成が巧いです。
最初に思った感想がこれでした。
春、夏…と季節ごとに区切ったオムニバス形式ですが、同じ高校の同じ登場人物たちによる、さまざまな恋愛事情がもどかしいったらありゃしない!
春は、高3の女子による、転校生との運命的な出会い。
夏は、後輩の2年生による、高3の先輩への憧憬が初恋に昇華された、忍ぶ恋心。
いずれも登場人物がかぶっていて、多角的な視点から恋の行く末を追いかけられます。
いずれも必ずしもハッピーエンドとはならず、今後に尾を引く展開で次の季節へと進むのですが、どの恋も先が気になって仕方がない!
夏の主人公が特にお気に入りです。委員会で一緒になった先輩に憧れる後輩なんて可愛いじゃないですか。しかもドジっ子で、不器用で、舌足らずで噛みがち。可愛い。
小道具としてクレープ屋さんのクレープがあり、これがまた美味しそうなんです。それぞれのキャラに合ったクレープを食べていて、個性の表現になると同時に、味わいが恋模様にも反映されているのも妙味だなと感心しました。