第4話

次の日、図書室の本棚を探すと『きみの友だち』があった。

やった。

『青い鳥』の『村内先生』もどこか僕に似ていて夢中になって読んでいるけど、『きみの友だち』もルナのおすすめだし、すごく読んでみたい。

一週間借りれるし、その間に二冊とも読むことができるだろう。

あれ?

『きみの友だち』を取ろうと手を伸ばすと、昨日まであった『エイジ』がなくなっているのに気がついた。

『きみの友だち』の裏表紙を開いて使用履歴書を取り出して、最後に借りた人を確認する。

江本…瑠奈。

瑠奈って、ルナって読むん…だよな。

図書室の机で今日も江本が何かを書いているのに気が付く。

おそるおそる、声をかける。

「江本…さん?」

江本は、書いていたものをパッと隠して僕を見た。

「何?」

「いや、『きみの友だち』、借りてたみたいだから。僕も借りようと思っているんだけど、どんなかなって思って。」

「まぁまぁよ。」

江本は、ぶっきらぼうに答えた。

眼鏡の奥の目を見てみる。

今まで気付かなかったけど、大きな目。

それに、肌も白い。

「江本さんってさ、いつも図書室にいるけど、本好きなの?」

「別に。」

面倒臭そうに答える。

こいつが、ルナな訳ないか。

そう思った。


今日も、公園で図書室でのことを話した。

「そのコ、本当は棗くんに話しかけられてすごく嬉しかったんだと思う。でも、照れくさくて、ついそんな反応になってしまうのよ。」

「そうかな…。」

「ええ、きっとそうよ。」

江本の気持ちを知っているみたいだ、と思う。

ルナはたくさん本を読んでいて、読解力があるからだろうか。

それとも…。


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