第2話 囚われの・・・
「あ?あれ?・・・冷たっ!」
突然、シャワーから水が出てきた。慌てて一歩下がる。
状況がわからずなんなんだ?と思いながら髪の水気を切って・・・鏡で確認しようと・・・って、鏡が無い。
どころか視界に映ったのは・・・あれ?ユニットバスにいたはずなのにどこよ?ここ。
なんか湖みたいなところにいた。
どこか森の中。
シャワーだと思っていたものは小さな滝?
森の湖?なんで?突然現れた人間にびっくりしたのか動物たちが騒ぎ出し鳥達が一斉に飛び立つ。
状況がつかめず呆然としていたら突然、首が締まる。
同時に後ろに引っ張られ、あっという間にまるで首吊り自殺でも狙ったかのように吊るしあげられてしまう。
「ぐぇっ!?」
苦しいと思ったのは最初の数秒。
ジタバタもがいているとすぐに頭がボーっとして視界がぼやけ・・・
何人か人が寄ってきたのは見えたけれどそこで意識が途切れた。
「ちっ、なんだ男かよ!」
吊るしあげた全裸の少年を見上げながらモヒカンの男が残念そうに吐き捨てる。
「まぁ、いいじゃねぇか。こんなところに居るんだ、どうせ身元ははっきりしねぇだろうし。若干安くはなるだろうが・・・いや、まてよ?こいつぁ結構な上玉じゃねぇか?」
「えっ?兄貴、そっちの趣味あったんすか?」
「ちげぇよ、馬鹿たれが!よく見てみろよ。華奢な体格にこの容姿、ちょっと飾ればマニア受け間違いなしだぜ?」
「うわーひくわー・・・」髭面がモヒカンを冷たい視線で見る。
「そ、そうはいうけどよ?こう言うのって今、需要あるんだぜ?」
「確かに・・・ちょっと味見してもいいすかねぇ?うぇへへ・・・」
「・・・俺の方がひくわー・・・」モヒカンが髭面を冷たい視線で見つめる。
「おめぇら、いい加減にしろ!おまえらも一緒にマニアに売っ払っちまうぞ!?」
そんな二人をドジョウ髭の禿が怒鳴りつける。
「「あ"ーーーーー!!」」お尻を抑えて逃げ回るモヒカンと髭面。
「馬鹿やってねぇで、さっさと売りにいくぞ?久々にたっぷり飲めそうだ。」
「「へい!」」
そう言うと三人は手際よく縛り直し、あっという間にずた袋に全裸の少年を押し込み抱えて歩き出す。
「でも、ちょっと味見してみたかったっす。」
「「うわ、こいつガチかよ!」」
◇◇◇◇◇◇◇
くっ!わたしとした事が・・・
陵辱系の薄い本で男の娘の全裸なんて見慣れてた筈なのに・・・
鼻血吹いて転移座標ミスるとは・・・
やばい、急いで探さないと!
・・・ほっ、どうやら別次元には飛ばされなかったみたい。
とりあえずまたミスしない様に、今度は直接迎えに行こう。
・・・それにしても、綺麗な身体してたなぁ。
まっててね、すぐ迎えに・・・あっ。
やばい、着て行く服がない!しまった・・・
流石に引き篭もり過ぎたか。
急いで洗濯して・・・って、どれ着て行こう・・・
あぁもう!時間無いのに!!
◇◇◇◇◇◇◇
「・・・・ぅあっ・・・・」
気付くと暗い部屋にいた。手足は縛られているのか動かせないし、多分、縄なんだろう・・・食い込んでえらく痛い。
あれからどれ位経ったんだろう・・・首にはどうやら大型犬なんかに使う立派な首輪。
そこから鎖に繋がれてこの薄暗い部屋の中に監禁?されていた。
食事は多分、一日に一回?空腹で倒れそうになる頃にいつも出される。
そんな状態が10回位・・・って事は既に十日位?相変わらず全裸で・・・
そして遂に今日、久しぶりに部屋から連れ出された。
真っ暗な廊下?を首輪に付いた鎖を引っ張られながら歩く。
今日はさらに口に何か押し込まれてる。
確かギャグボールって言ったかな?穴だらけのピンポン球みたいなの?
え?なに?今日の客、SM趣味でもあるのか?
痛く無いといいなぁ。
しばらく引き摺られる様に歩かされ、大きな部屋の中に放り込まれる。
だんだん目が慣れてくると同じように拘束された人がならんで・・・人か?角があったり羽根生えてたり・・・
え?コスプレ?ハロウィン?
いや、全員全裸に首輪ってどんなコスプレよ?
これは・・・まさかのエロ同人的展開に!?
駄目だ、混乱して何が何だか・・・
「っ!」
いきなりスポットライト?をあてられたみたい、目がくらむ。
一斉に歓声があがる。なんだこれ?ほかにも人がいるっぽい。
「お待たせしました!本日の目玉商品です!!」
「!!」
え?商品?って、ワタシ!?
「ごらんのとおり、容姿はかなりの上物!普通に家事や雑務用にも見栄えが良いですが・・・よ~く見てください?この容姿で牡です。種族は人間なので躾も楽でしょう。マニアな方の愛玩用、性処理用にも最適かと思います。では、最初は既定の10000リュドから始めましょう!」
「15000!」
「30000!」
「48000!(*´Д`)ハァハァ」
ちょ、ちょっとまて!ワタシ、オークションにかけられてる?
まさかホントにエロ同人的展開!?ってか、人身売買?いいの?こんなの??
「さぁさぁ、エキサイトしてまいりました!これだけの上玉、めったに手に入り・・・え?なに?・・・・まじで?・・・・すげーなこりゃ。新しい情報が入りました!先ほどの検査結果ですが・・・病気の類は一切なし!末永く愛でる事ができるでしょう!」
ふ~ん、ワタシ健康なのか。てっきりAIDSでも貰っててもうすぐ死ぬかと思ってたけど・・・
「さ・ら・に!!鑑定スキルや魔力サーチが出来る方にはもうお判りかと思いますが・・・この商品、保有魔力値がなんと!20万オーバー!!人間どころか生物としてあり得ない数値!!」
え?魔力?なにそれ・・・ってか、生物としてあり得ないって??
「150万!」
「350万!!」
「700万!!!」
うわっ、なんだか一気に跳ね上がったよ?
目が慣れてきたのもあるけど・・・良く見るとビッター側も羽根生えてたり角あったりで・・・・これって夢?その割には食い込む縄が痛い。
おかしいな・・・3万で一晩のはずだったのに・・・このままだとワタシ、どうなるのよ?
「現在、最高入札額700万リュド!もうないですか?それでは・・・」
「・・・1億。」
「!!!」
辺りにざわめきが起こる。
一番奥のほうから一気に値段を吊り上げる声。なんか女性っぽかった。しかも若そうな・・・
「い、一億一千!!」
手前の方から野太い声が響く。
「・・・5億。」
すかさずさっきの女性。なんか一気に釣り上げてきた!?
「ぐっ!ぐぅ・・・!」
手前の野太い声が呻きに変わる。
それに合わせて司会?が声を張り上げる。
「おぉっと!5億キターーーーーー!!!もうないですか?・・・では5億リュドで落札!」
ハンマーが振り下ろされ・・・その瞬間、ワタシの値段が決定した。
異世界変態紀行? -いきなり飛ばされ奴隷として買われ・・・- @ta92eda
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