第5話アル中と身体測定

あー。暇だな。テスト期間ってのは、どうしてこう暇なんだか。


暇。


お前、次のテストいつよ?


明後日。三限。


あれだろ。持ち込み可のやつだろ。


そう。だからやる気出ない。


理系のやつは持ち込み可でも忙しいらしいけどな。


文系でよかった。


間違いない。あ、


なに


この時間でひとつはっきりさせようじゃねえか。


なに


身長だよ。


あー。


あんときは別の話題でうやむやになったが、今がそのチャンスだ。よしそこに立て。


今研究室にいるのは二人。誰が判定してくれるの。


あ。


全く。わたし。いいところしってる。


なんだよ。保健室でもあるってのか。大学によ。


ある。教養棟の一階。購買の横。


まじかよ。よく知ってんな。お前、体弱かったっけ?


ううん。


じゃなんで。あ。


そう。


二日酔いするまで飲むんじゃねえよ。お前顔に出にくいからいいけど、さっきのテストのときも。


分かった?


となりの席なんだから分からないわけねえだろ!


賭け、しよっか?


はぐらかすな。......まあいい。お前、よっぽど自信あんだな。


いっしょに歩いてるときは、常に君の頭頂部を見ようと努力してる


見えたか?


......


どうだった?大丈夫だったか?


......


おいなんか言えよ。怖いわ。......あとであいつにみてもらお。どうせゲーム付き合うし


大丈夫だったよ。


言うの遅せえよ、ちょっとびびっちゃったろ。ていうか、俺の頭頂部が見えるってことは本当に俺よりでかいのか。


......


あれ。もしかしてうそ。頭頂部見えたってところからウソ?

え? じゃあ大丈夫だったのは


測ったら分かると思う。


よおし。なら測ろう。今から測ろう。さ、行くぞ。


ちょっと待って。


おいおい。怖気ついたのか。そういやまだ賭けの内容決めてなかったな。

負けた方が晩飯おごりな。安心しろ。学食でいい。さあ立て!


腕、掴まないで。


ああ悪い。痛かったか。


違う。頭、揺れる。


あ? ってどうして口元を抑える。おいお前まさか


うっ


--------------


あれ? 先輩これから運動でもするの。ジャージなんて着て


飯食いにいくだけだ。近くの中華料理屋にな


へー。あの結構お高い。ちなみにご相伴にあずかっても?


ダメだ。これは奴へのバツだからな。新品だったんだぞ、あの服。ったく


あー。大体わかったわ。先輩、友達は選んだ方がいいわよ。あ、選ぶほどいないか。


うるせえ。人のこと言えねえだろうが。


そんなときはMARIよ。MARI。あの癒しの声でそのすさんだ心を


いやだね! それだけは絶対に


???

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