小話：スニッチマンの門。

　まず前提として、これらは選出された民間人を利用したヒューミントであり、治安維持及び特定秘密保護の一環である。そのため、この該当者は公務員としての権限を一部有することになるが、活動は所定時間でしか行えず、その間のみ権限は有効化されるため、もし所定時間外に該当者が違法行為を行った場合、現行犯逮捕は勿論として、被疑者の勾留も一切制限されない。

　民間人の選出方法に関しては手段を問わないが、認定手続きの手順として、第一に”スニッチマン計画”にて開発された専用インターフェース及びアプリケーションをインストールしたことが確認され次第、該当者としてリストアップされる。第二に、該当地域担当者によって概略的説明を受け、承認が得られ次第”スニッチマン”として認定を受ける。以上二つの手順を経過してのみ、計画への関係者として認定される。もし、該当者が認定を拒否するか、第一手順の経過から三日が経過した場合は、直ちに情報端末のデータベースや基盤を解体、破壊し、端末の解析を不可能にする。また、素行調査としてその後数十年間の行動を監視する。

　”スニッチマン”の第一目的は、重大犯罪や各種不正行為、組織内でのいじめ行為など、社会に重大な損失をもたらす可能性のある人物や団体への妨害工作であり、その対応への情報提供を主とする。その為の行動に関して、この計画単体では具体的な目的も、具体的な方法も、具体的な指示も扱わないものとする。その為、”スニッチマン”は正当なる行動を第一とし、互いにそれらの行動を監視、報告するものとする。

　以上をもって、”スニッチマン計画”の概要とする。