俺がヒーローだ!

「変身!」

ビシッ!


「変身!」

ビシッ!


正直言ってかなり気持ちいい…!

もちろんポーズは俺のオリジナル、

だって俺がなりたいのは唯一無二のヒーローだから。


「変身!」

ビシッ!


決まった!


最高に気持ちよくポーズを決めた瞬間、

力が溢れ出す感覚に襲われ

俺の手が黒く染まる。


「うわああああ!」


よく見ると体全体が肌色以外に染まっていた。


(キモい…!キモい…!)


足が震えだす。


「えっ……」

俺は鏡に映ったこのイカした奴に

見覚えがあった。


刺助さすけ!)


俺が考えたヒーローだ!

俺が右手を動かすとコイツも右手を動かす。

完璧に状況を飲み込んだ。


紫のイカしたラインが入った

黒光りする現代風にアレンジした

カチカチの忍び装束!

太すぎない腕や脚に凝縮された筋肉の鎧!

白い髪から覗くのは、残像を残そうと思えば残せそうな赤い瞳!

背中には対物戦を想定した太刀!


ありがとう刺助!

迎えに来てくれたんだな…!


「はははははは!完璧だ!!」


「やったぞ!!ついにこの時が来たんだ!」


俺は窓から外へ飛び出し

屋根から屋根へ飛び移った。


「力が溢れてくる…!今ならなんだってできるぞ!」


「そうだ!街中で目立つ事をして

 超人の誕生を知らせてやろう!」



「待ってろ一般人達!俺は殺助…!

 最強のヒーローだあああああああ!!!」

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