1人目の来店

チリン

入り口についているベルが高い声をあげる。

お客が来たのだと思っていたら、

「おじいちゃん」

亮が手伝いにやってきた。

そうだ、今日は亮が手伝いに来てくれる日曜日だ。不出来な孫だが、何かと役に立つので学校に行かない、この日曜日に手伝いに来ることをお願いしている。

またいつもの会話が始まる頃だろう。と思っていると、

「おじいちゃん、この一週間の売れ行きはどう?」

といつも通りに聞いてきた。

そこで、

「まぁまぁだよ」

と、これもいつも通りに返してやった。

「学校ではどうだ?」

「友達にからかわれた」

こんな他愛もない会話をしていると、ようやく本当のお客が来たようだ。


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古びた本屋の物語 こじこじエンジェル @tdjmpdgmdumgdkmg

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