記録―Setting materials―

人と機獣の記録―in Ruby Phoenix―

焦がれた国に残された記録


【記録に現れる主要人物】

●リシティ・アート……頭が良く、真面目な14歳くらいの少年。MエムHエチMエムや、今や絶滅した生物の知識を有する。ボサボサな白髪に赤い瞳を持つ。

尊敬に値しないと判断すると徹底的に口が悪くなるが、あくまで過剰な警戒心によるもの。加えて、相手が機人獣きじんじゅうである事、リュークの口の悪さも理由としてある。実際、彼の人となりを生身で理解すると彼の今後の旅路を案じてか、旅のイロハを教え込んだ(リュークよりもイビルの方が教え甲斐があった模様)

また、自分には関係のない国を想ってか、それとも機人獣への敵対心を刺激されたのか、エメを言葉で強引に従えようとする一面も見られた。だが、後にエメに謝ろうとする一面があるので、あれが彼の本質ではない。

碧狼のパイロットであり、相棒であるエメと荒廃した世界を旅をしている。


●エメ……碧狼の中にいた女の子。深緑の髪を持ち、新緑の瞳を有する。耳が頭にあり、尻尾もある。10歳くらい。幼いが一方で慈しみ深い一面を持つ。れっきとした人間。

リシティの強引な言葉に圧される一面があり、少なくとも怯えを覚えていた。いつもは自由奔放な彼女であるが、リシティのこの一面には想うところはあるようだ。

碧狼のパイロットであり、相棒であるリシティと荒廃した世界を旅をしている。碧狼と繋がっていると少し大人っぽくなる。


●リューク……粗暴な印象を覚える、20代前半の青年。黒い髪をオールバックにしており、服装は黒のスーツとズボン。しかし中にはシャツはなく裸。人がイビルしかいなくなり、シャツが破れた事を経緯に脱いだ模様。

かつては真面目で映画が好きだった青年。自分より年下の女の子、イビルに好意を抱きながらも国へ貢献しようとしたが、茶蛇サジャにより崩壊。見ていた映画の影響もあって、復讐をしようとイビルに導かれる。

粗暴であるのは、これまでの真面目な自分では現状を受け入れる勇気がなかったため。なので深く考えないようにしている。むしろ、考えすぎるからダメなタイプ。意固地で、それでいて目的のためには柔軟な対応ができる。

銃撃センスはあまり高くはない。が、高加速、重心移動への適応能力は高く、朱鳳のピーキーさを受け止めきれている。

国での一件が終わり、イビルと共に朱鳳シュホウで旅へと出る。その彼の表情は、復讐と国という鎖から解放された、かつての復讐劇の主人公と真逆の表情であった。


●イビル……背中から翼、脚は鳥の様に細く硬い、そんな特徴を有する十代後半の少女。とても鮮やかな炎のような長い赤毛を有する。元々は国の外へいたらしいが、数年の間、人と触れ合ったためかエメよりも知性的。

基本的に流暢な言葉を話し、リュークのために動く。料理の知識はあまり持っていないらしいが、食材の知識はある。

朱鳳を扱え、それを姉妹と呼ぶ。朱鳳と繋がっている間は、リュークよりも年上のような話し方になる。リュークからすれば、年下の相手が年上のように振る舞うのだから、複雑な心境である。

国の一件後、リュークと共に朱鳳で旅へと出る。



【記録に現れるMHM】

●CW-07 碧狼ヘキロウ

碧色の装甲で狼人間のような姿の機人獣。全長、10メートルほど。機動力(全身にスラスター)と運動性(跳躍可能&人間的な仕草も難なくこなせる)を優先にして作られているようで、千キロほど離れていても跳躍が届いた。しかし、上昇力はあまりない。これはスラスターの使い方が、基本的に加速のためだからと思われる。

その特性上、熱がこもりやすいため、よく排熱し白煙を吐き出す。これは哺乳類の特長である発汗のような物である。そのため水蒸気であるため、完全に無害。ちょっと臭い。

獣のような鋭いツインアイを持ち、首と頭に繋がる毛(電光放出貯蔵体)の中には、アンカーが付いているチェーンが隠されている。姿勢制御用であるが、本国では朱鳳を引き摺り下ろすために使用された。

武器は両腕のトライトンファー。そこから放たれる光の爪は、熱量を有した光を硬質化した物で威力は高い。それの出力を高めたのが光の剣であり、熱量は増し切断力が向上する。作中では本来は硬く厚い門を容易に切り裂いていた。また、トンファーを回転させる事で光の盾にもなる。

貯蔵された電光エネルギーを腕へと伝達させ、接している物に電撃を送り込む事も可能。対機械においての切り札である。なお、この際に光の爪は使用できない(故障を防ぐため)

搭乗主マスターはリシティ・アート。またはエメ。通常時はエメが胸部にて主要で操縦するが、戦闘時は下腹部のリシティが主要となって二人で操縦する。リシティの時は瞳が赤になり、エメの時は緑に、碧狼の時は青くなる。

リシティが戦闘本能を意識した一面があるが、それが碧狼の戦闘本能であるかは不明。少なくとも、エメにはその影響はない。


●CP-74 朱鳳

朱い装甲で包まれた鳥のような姿の機人獣。全長、10メートルほど。変形で鳥人ハーピィ形態になれるが、現状は加速のブレーキと排熱でしか使用されていない。

飛行能力(恐らく最限はない)、加速力を優先にして作られている。また耐熱力も高い事が予想できる。

しかしその特性上、碧狼ほどではないが熱がこもりやすいため、人型になれば排熱する。これは鳥類の特長である発汗のような物である。そのため水蒸気であるため、完全に無害。ちょっと焦げ臭い。

鳥のような鋭いツインアイを持ち、脚は装甲よりも硬い装甲になっている。代わりに細い。翼の羽の間にスラスターがある。

武器はくちばしの火炎弾。体内で発生する熱エネルギーを炎の弾にして放つ。

翼から光エネルギーを伝達させて光の翼を形成する事も可能。この際、切断力が増す。またくちばしも光エネルギーを有しており、機体全体に炎を伝達させて不死鳥フェニックス形態に移行可能。しかし、細かい動作ができなくなる事や、排熱しなければダメになる弱点がある。

搭乗主マスターはリューク・クレジット。またはイビル。イビルが胸部にて主要で操縦し、戦闘時は下腹部のリュークが銃火器担当となって二人で操縦する。イビルの時は瞳が黄になり、朱鳳の時は赤くなる。

イビルが姉妹と発言しているが真実は不明。また、リュークはリシティとは違い、本機と神経接続をしていない。


●seM-x2x4 茶蛇

焦がれた国を滅ぼした蛇の形をした機人獣。非常に強固な装甲を有しており、また十八メートルの高さ、長さ四百メートルある巨体を持つため、朱鳳一機ではどうにもならなかった。

装甲は、蛇特有の気温に応ずる特性を拡大させたもので、火炎弾や光の爪などの熱量の攻撃を受け止めきれていたのは装甲自身がその温度になっていたため。また、視覚は有さないのだが、温度探知サーモグラフィによって視界を得ていた。そのため、人間がいる場所も解ったし、熱量を有する二機の機人獣が国の中で争っているその様子も理解した。

弱点は口の中であり、中身は装甲性はない。碧狼の電撃に感電して意識を失ったのも、朱鳳の一撃が通ったのも、中身(装甲を硬くする信号を与える部分)から破壊したためである。

実態は、突然変異種であり、なぜか蛇の遺伝子を取り込んだ機人獣として生まれた。最初は五メートルであり、人を喰らう事で巨大になっていった。

人を喰らったのは、あくまで生存競争の構図に則った結果である。本質が蛇でも、在り方は機械であった。また高い飢餓感を有しており、人を求めていた(なお、機人獣には食事をしてのエネルギー補給は必要ない)

意識があったかは不明。少なくとも、国を襲う程度の知能はあったようだ。

決して、人が乗る機械の獣ではないが、人を喰らう事で成長する機械の獣という意味では、マシンヒューマンイーターモンスターである。もしくは、どこまでも獣の心を持った機械、マシンハートモンスターなのかもしれない。

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