第4話 人形。私の可愛いお人形。
私は何時からこうしているのだろう…
綺麗に装飾された椅子に裸のまま座っている。
1人では動く事が出来ないから、ただ黙ってじっとしているしかないのだ。
でも、ご主人様はそんな私を愛してくれる。
私を見ながら自慰をする事もあるけど、大半は私を椅子に座らせて髪の毛を綺麗に整えてからそっと撫でて抱き締めてくれる。
私もそんなご主人様を愛している。
例え動けなくても、喋れなくても、2人の愛は本物だ。
だから私はいつも、ご主人様の傍にいる。
ご主人様に全てを見てもらえるように…
僕は何時からこうしているのだろう…
椅子の上に座る少女を愛しく思い、愛でる。
僕は決して見返りを求めない。
彼女の肢体は綺麗だ。
まるで汚れを知らない百合の花のように。
時々、とても彼女を汚したい衝動に駆られる。
そんな時はいつも独りで慰める。
彼女に見つめられながら、僕は果てる。
そんな時、彼女は少し嬉しそうにしている。
ソレを見て僕も嬉しくなる。
僕達は、確かに愛し合っているのだ…
『いつまでも人形相手に何をしているの?』
ある時君が言った。
『彼女は人形なんかじゃない!』
僕は叫んだ。
確かに僕達は愛し合っている。
彼女の気持ちが僕に伝わってくるのだ。
『貴方可笑しいわ…』
『可笑しいもんか。可笑しいのは君の方じゃないのか?』
すると、泣き出す君。
あぁ…鬱陶しい…
彼女ならそんな事はしないのに…
そうだ、邪魔者には消えて貰えばいい。
僕は、近くにあったナイフで君を傷付けた。
血飛沫が飛ぶ。
泣き叫ぶ君。
あぁ…僕の大事な彼女が汚れてしまった…
『今、綺麗にしてあげるよ…』
邪魔者が居なくなった部屋で、僕は彼女を抱き締めた。
end.
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