works/4852201425154985193

『魔法少女と優しくて残酷な世界』

https://kakuyomu.jp/works/4852201425154985193/episodes/1177354054880208767


 有意と無為は対義語ではないけれど、対照的な言葉ではある。有意であることが必ずしも有意義なわけではなく、無為であることも無意味なわけではない。

 主人公が仮に、特殊な環境に在りながら、特別な感覚を持つわけではない少女であったとすれば、きっと悩みは絶えないのだろう。その逆であれば、きっと悩みしかないのに違いない。

 不思議なもので、少女という概念は、他の少女に対しても、かつて少女であったことが一度もなかった者にすら、強固で強制的な共感性能を持つ。

 人のプロトタイプこそが少女なのであれば、魔法少女や文学少女というものは、あらゆる人にとって平行世界の自分自身であるのだな。

 偏在者を偏在させることにより、その偏在性を強調し、読者を謎に巻き込むスタイルはわりと好き。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る