第4話 毒こども、自立を考える

毒親から逃れるために、精神的自立を頑張る人が多いと思うのですが、この毒親問題を「解決する」とか「悩みをなくす」という点から言えば、“経済的自立”を優先したほうがいいです。


自分で稼いだお金で生活できる。親に頼らなくても生きていける。ただそれだけのことが、どれだけ心に安息をもたらすでしょう。


…で、大学時代はバイトしまくって、経済的自立を目指していた私ですが、夜は仕事、昼は学校で、体を壊したのも事実です。


〇毒こどもの自立は難しい


毒親の支配を受けてきた、毒こども。大人になっても、精神的支配は続いています。さて、大人になったらあらゆる面で自立しばければいけないのですが、なぜかスムーズに自立できません。なぜ? 理由は以下のとおり。


・自分に自信が持てない

・親があらゆる手段を用いて自立を阻止する

・過去受けた心の傷が重症化している

・否定癖がついているので仕事が長続きしない

・自分は劣っていると思っているので他人と競争できない

・自分の存在価値が迷子になる

・支配を受けることに慣れているので、支配的な人のそばにいたがる(DVやハラスメントの被害に遭いやすい)


親は、支配したこどもを手放したくありません。だって、自分の思い通りに動く、これ以上都合のいい存在はないから。なんなら、老後まで面倒みてもらおうと思っています。


毒親に育てられてしまった人は、そもそも自分に自信を持つことを許されませんでしたから、心に傷を受けていますし、それゆえに「他人より劣った存在だ!」と思い込んでいます。(これは、たとえノーベル賞を受賞しても、オリンピックで金メダルを獲っても、自信が持てません。思い込みだから)


さらに、毒親の被害に長らく晒されていた人は、同じく支配的な人のそばにいることを好みます。支配されなければ不安になってしまうからです。ゆえに、DV被害や、ハラスメントを受ける可能性が高い…というか、対象になりやすいのです。


自分から、あえてブラック企業や、ブラックなパートナーを選んでしまう、好きになってしまう、というのも、毒こどもの特徴です。


〇自立させてくれや


とは言え、自立しなければ何も始まりません。一生を毒親の奴隷で終わらせるわけにはいかないのです。


きっと毒親は、こんなときに限って「大丈夫?ひとりでやっていけるの?できるわけないわよ、ずっとここにいなさい」だとか、「自立なんてできっこないわよ!」だとか、「どうせ失敗するんだよ」など、悪魔の言葉を吐くでしょう。

実際、私もたくさん、悪魔の囁きを耳にしました。


自立はできます。


いずれ、親は死ぬのです。


どこかのタイミングで、誰もが自立するのなら、今だっていいはず。


うまくいかなくて挫折することもあると思いますが、転職を繰り返すかもしれませんが、それでも、なんとか生きていく方法はあります。正社員が無理でも、アルバイトでもいいです。かっこいい仕事でなくてもいいんです。


自分にできることをして、それでお金をもらって、死なない程度に生きていく。誰にも否定されない生活を手に入れるために、まずは、経済的に自立することを目指すといいんだと思います。


つづく

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