第8話「爽快な朝」
翌朝。
航路は東へと向かう。バルド王の軍をアリア号に乗せるらしい。
アリア号の船乗員とバルド王の軍の連合軍で北のペルティナ族の首都を襲撃するらしい。
その間、西にあるフェルナ王の軍がおとりになるらしい。
本当はそこに《大いなる翼》の加勢がある予定だったらしいけど……。
アスナ「あ、ひかり、今は走行中だから甲板に出ない方がいいよ。ま、今日はそんなにスピードは出てないから、ちょっとだけなら平気かもだけど」
そんな危険なところ、わざわざ行かない。
アスナ「私はちょっと仕事があるから、今日は一緒に居られないけど、何かあったらすぐに言うのよ。例えば、ロイスに問い詰められたり、バルドにセクハラされたり、フェルナに言い寄られたり……、嫌なことをされたらちゃんと報告しなさい」
そう言うと、アスナは忙しそうに廊下を走っていった。
あ、昨日のことを言うのを忘れていた。
でも、いいか……、そんなに困ったことじゃないし(?)
私は気分を切り替えて、窓を開いてみた。
大型飛空船アリア号は本当に大空を飛んでいた。
窓から見える景色は一面、真っ青な空だけだ。
その中にしばしば、羽の生えた「空の民」らしき人たちが飛んでいるのが見える。
下を見れば、雲しか見えない。
アリア号はまるで、雲の上を航行する船みたいだ。
いつも見ている光景だけど、何度見ても感動してしまう。
ひかり「わ~」
呆れた様子でアレックスが私を見ていた。
アレックス「……お前、何してるんだ?」
ひかり「あ、アレックスか……」
アレックス「また、アレックスか……って何だ、その反応は!?」
ひかり「いや、別に他意があるわけじゃないんだけど……、つい」
アレックス「お前、外なんか見て、楽しいのか?」
ひかり「ああ、うん。船が空を飛んでいるところなんて、見たこと無かったから」
アレックス「そうか……、でも、気をつけろよ。そんな所にいると落っこちるぞ」
ひかり「……アレックス、心配してくれてる?」
アレックス「お前は白き神で《大いなる翼》の手がかりだからな。それだけだ」
ひかり「ありがと」
アレックス「じゃあ、ボクはロイス様のところに行くからな。くれぐれも落ちるなよ」
アレックス「この高さじゃ、人族じゃ助からないからな」
ひかり「うん。分かったよ」
そう言うと、アレックスは走り去って行った。
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