第四章 「心騒ぎ」

彼の様子が最近どうもおかしい。

先日、彼に付き添われ診察に行き、検査をして戻ってきたら、なんだかふさぎ込んでしまっていた。

帰り道に話しかけてみても、どこか上の空で心ここにあらずといった風だった。

先生から何かお話があったのかしら?

私には今日は検査だけで、結果が出てみないと何も解らないと説明して下さっていたのだけれど・・・。

明日の検査結果は彼ひとりで伺って、聴いてきてくれるという。

勿論、不安は不安なのだけれど、正直、今日の骨髄穿刺があまりに痛くて、しばらく病院は懲り懲りだわって思っていたところなので、彼の気遣いに甘えることにした。

帰りがけにお薬をもらって飲んだので、近頃ずっと悩まされていた吐き気が治まり、めずらしく食欲が出てきたみたい。

今夜は彼の大好きなオムライスを作ってあげようっと♪



遅いなぁ。もうとっくに帰ってきてもいい頃なのに。

仕事に夢中な時はよくある事だけれど、今日は病院に寄ってくれているはずなのにまったく連絡が来ない。

スマホも圏外で繋がらない。ラインも音沙汰なし。

はぁあ。今日何度めかの溜め息がまた出ちゃった。

こんなに依存してるようじゃダメだダメだ。

キッチンの椅子に座って、晩ご飯を先にひとりで食べることにした。




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