第三章 「息吹き」

彼女の調子が最近どうもおかしい。

機嫌が良かったと思えば、突然沈み込んでしまったり、突然貧血を起こし、大好きなパスタ・レストランに行っても、食が細かったりと、普段の彼女らしくない。

来週、病院へ診てもらう様に勧めて、嫌がるのをようやく承知させた。

どうにも心配なので、僕も休みを取って付き添って行くことにした。


診断が終わり、彼女が検査に出ていった後、先生に診察室に呼ばれ、ひとりで入っていく。

一体なんだろう?少し不安が頭をよぎる。

そして、その不安が的中した。


医師が重々しく口を開く。

「X線と詳しい検査の結果待ちですが、本日診断した感じですと、あまりよろしくありません。明日以降、どこかでお時間いただけませんか?」


「なにが良くないんですか?」


「まだ軽率な事は言えませんが、今行っている血液検査と生検でハッキリとするでしょう。無論、何も無ければそれに越したことはないのですがね・・・」

と、どうにも歯切れが悪い。


「わかりました。夕方でも構いませんか?」


「大丈夫です。お持ちしております。」

医師は承諾してくれた。



そのまま送って帰った彼女には、結果は僕が聞いてくると伝えて別れた。

彼女も病院に連日通うのは気が重かったらしく、そうしてくれると助かるわと、任せてくれたので僕もホッとした。




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