第4話 大志

儚き淡き人生の 確たる航路の羅針盤は

あの荒波を越えてより なお向こうを指している

ここからでは望じえない あの向こうの景色とは

如何程だろうかと 想像を膨らます


草原は見渡す限り 所々に咲きたる花

近く一本の小川の音に 幾本かの大きな樹

地平線の向こうには これまた見事な大山と

もう片手には広がる浜辺の 絶妙なる色合いや


そう思って目の前の嵐騒がし 海を見る

行けば帰れぬ 決死の航海

腹の底には くぐもる感情

決まらぬ私の 憐れな心よ


今崩れゆく 背後の大地を

蹴って飛び出し 船に乗り込む


先を見よ

青年

汝の知らずの性質は

この荒波をも 越え行ける


大志 大志

君が心を奮わせながら

ひたぶるに 舟を漕げ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る