第11話 日の陰
たまに太陽が恨めしいと思うことがあるのも人間ということだ。
悲しい自分の現状に、辛く思う時がある。
幼い頃に思い描くものは子どもの生命の息吹によって膨らむ神々しいものだ。
そんな自分が過去から責める。
私は黙って耐え忍ぶしかない。
日の当たる場所の居心地は酷いもので、
今日もまた火傷をした。
日陰が落ち着くのだ。日向は好きではない。
今の自分を表す心は荒んでいると誰かが言う。
誰かが笑っているのだと、怯えて咽ぶ自分がいる。
日の光はいつもと変わらず温かくそれが恨めしく感じる時、
私は日の偉大さと自分の卑屈を知る。
転倒してはいけない。
太陽は偉大なのだ。
私は黙って日陰に入る。
しかし決して忘れてはいない。
今はただ日の陰で
静かに体と心を休める。
私はまた帰っていこう。
日の当たる場所こそに
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます