caseXXX パンダヒーロー
もうダメだ、私の人生最大のピンチだ。
こうしてどこかも分からない薄暗い部屋に閉じ込められてもピンチだなんて感じなかったけど、今回ばかりはもうダメだと思った。
真っ黒なアイツは私を壁際まで追い詰める、私はにじり寄るアイツにスリッパを投げつけた。
─消えた、いや、どこかへ隠れたようだ。
どこを探しても見つからない、けどアイツは確実に近くにいる、気配が近くからする。
物陰からアイツが飛び出してきた、私は驚いてその場で尻餅をつく、こっちに近付いてくるアイツを避けようと、私はそのまま後退した。
壁に背中がつく、また追い詰められた、今度こそおしまいだ。
私は必死で心の中で助けを呼んだ。
助けて、助けて─
目の前に、1人の男が現れた。
緑の髪のもじゃもじゃ頭の男だ。
男は長く伸びた前髪の隙間からこちらを見てニヤリと笑った。
「どーも、ピンチヒッターです」
鈍く光る金属バットを手に持ったその人は、まるで正義のヒーローのようだった─
─continued to track 04
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Author afterword
こんにちは、サトウトシオです。
スピンオフとしてのパンダヒーローの話は前回で終わったのですが、後日談+後書きとしてさらにこの話を書いてみました。
スピンオフ、いかがでしたでしょうか。
ラストの場面についてですが、この作品におけるパンダヒーローはきっとどれだけ人々から支持を受ける正義の味方をやっていても決して表には出ず、ずっと「噂のアイツ」であり続けるんじゃないかと個人的に思ったため、あのようなラストになりました。
後書きを書き始めてはみたものの、これといった解説や制作秘話といったものはこれ以上持ち合わせていないので、この場を借りてお礼を言いたいと思います。
素晴らしき原案を考えてくださったさくしゃ2様、連載中にツイッターなどで感想をくださった読者の皆様、誤字や脱字を指摘してくださった数名のフォロワー様、本当にありがとうございました。
そして、この話において忘れてはいけない存在、パンダヒーローという楽曲を作って世に出してくださったボカロPのハチ様、勝手に楽曲を元ネタにした立場で言える事ではないかもしれませんが、本当に、本当にありがとうございました。
届かない言葉ではありますが、あなたの事を尊敬しているとだけ言わせてください。
短い文章ではありますが、この辺で後書きを終わりとさせていただきます。
スピンオフはこれにておしまいですが、本編はまだまだ続ける予定ですので、どうかこれからも宜しくお願いします。
それでは。
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