第13話保健室④~⑦
ー保健室④ー
全くただ怪我しただけのあすかを保健室に連れて来ただけなのに偉い目に遭った。
それから物凄い勢いで謝ってくるあすかをなだめてやっと怪我の治療だ。
「たくみさん、ホントにごめんなさい!」
「もう大丈夫だから、気にするなあすか」
そんなオレたちをなんとも温かい微笑ましいモノを愛でる目で見てくる志木先生。
「全くなぜとっとと結婚しないんだ二人は?お似合いじゃないか」
出されたお茶を吹く二人。
「なっなななに言ってるんですか志木先生」
「なにもかにも当たり前の事を言ったまでじゃないか?問題あるのか」
問題あるだろ、今は一応教師と生徒なのだから。
「あか坊はロリ属性じゃなかったか」
この人もいいだけ天然だな。
ー保健室⑤ー
「志木先生、なに言ってんだ。生徒の前で」
「昔あすかくんが酒宴の席で『ワタシたくみとケッコンする!』と言ったろ」
ぎぃゃゃやゃやややゃゃゃああぁぁぁぁああゃゃあああゃあゃぁやあやあやぁゃあああぁ
学校中に響きわたる奇声を発するあすか。
「あんたそんな昔の話を持ち出すな、子供の頃の話じゃなか」
「そうですよ志木先生子どもの頃の話じゃないですか」
顔を真っ赤にしながら手を降り否定している。
「それに、王子さまなのだろ?」
ベゴォン!!!
「志木先生…」
「照れ隠しで学校は壊さんでくれよあすかくん」
ー保健室⑥ー
「さぁもう治療は終わったんだ帰りたまえ」
イジルだけイジって飽きたらこれか。
「志木先生~絆創膏ください」
「ほらほらここは君たちだけが来る訳じゃないのだから」
「赤井先生、あすか先輩二人も何処か怪我したんですか?」
確かに長居しているのも申し訳ないな。
「ちょっと酒井が練習中に捻挫してな」
「あぁ!お姫様抱っこの」
もうひろまってるのか。
ー保健室⑦ー
「ありがとうございました。志木先生」
治療もすんだのであすかを連れて戻ることに。
「志木先生、まだあの事引きずってます?」
俺は何の気なしに訪ねてみた。この人の事だきっといつまでも忘れることはないのだろうが。
「忘れはしないよきっと、わたしがここに来てすぐの事だし、わたしにそんな資格も権利もないのはわかっているが…」
絆創膏をもらいに来た生徒は先に保健室から出ていっている。
「救えるなら救ってあげたかった。浅ましい考えだが、助けてあげたかったよ彼のことを」
「私は生きるもの達が大好きだ 命の限りに生きるその灯火が好きだ。わたしは、失格の死神だよ…」
こんな女性を人間は聖母と呼ぶのかもしれないな。
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