第12話保健室①~③

ー保健室①ー


「志木先生すいません練習中に酒井がケガを…」


殺気!


フゥー


あすかを抱えたまま前に飛び退き一息に振り返る。


「あか坊、ここは淫行する場所ではないぞ。子孫が増えるのは良いことだが…」


「あか坊言わんでください。それに耳に息吹きかけるのもやめてください、志木先生」


オレたちが来ることは分かっていての行為だから質が悪い。


「いやだからあすかが…」


「皆まで言うなあすかくんの幸せそうな顔を見た前よ」


そうだ!お姫様抱っこのまま結構激しめに動いたがあすかは?


〈あすか〉(・_・)


大丈夫だな。後これは幸せそうな顔なのか?



ー保健室②ー


保健室に行く間全く反応しなかったが、防具を着けていたとは言え打ち所が悪かったのか?


「そんなに心配するな、ここに座らせたまえよ、そうすればもとに戻る」


意識はあるし言われた通にしよう。


「あすかくん、起きたまえ。夢から覚める時間だ」


「ここは何処?王子さまは?」


どうやら問題はなさそうだが。


「あすかくん、王子さまは君の後ろだ」


「え?!」


あすかが椅子に座った状態で振り向き様に突然立ち上がったため…


ガチン!


〈あすか〉!☆∥△↑◎¥

〈オレ〉&%¥※▽☆*


あすかの頭とオレの顎が見事にクリーンヒット。


〈オレ〉(×_×)


今度はオレが気絶する番に…


「キャァァァ!!たくみさん?!」


あすかの悲鳴が遠くの方から響いていた。


ー保健室③ー


10分位で目が覚めることができた。

いやはや、流石に強烈過ぎる、全く平和ボケが過ぎる昔ならこんな事はなかったんだが、これが良いことなのか悪いことなのか、ちょっと考えさせられるな。


「たくみさんたくみさんたくみさん」


「あすかくん、その辺にしときたまえ」


そうしてもらえると助かる。


「だってだって先生!私のせいでたくみさんが!!」


あすか、心配してくれるのはありがたい、だが…


「あすかくん何度も言うがそんなに激しく揺さぶるものじゃない」


「でもでも!」


志木先生も止めるならもっと早くしてほしいんだが。


「あすかくんよく見たまえ、あか坊め泡吹いとるぞ」


「イャァァァ!」


テンパるとあすかのバカ力は限度を知らん。






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