第11話部活①~②

ー部活①ー


武道場。

武道系の部活動が主に使用している場所で、一度に3つの部活が使用できる結構大きな建物だ。なので一応入るときは一礼。

あすかの薙刀部は今日は真ん中の練習場所を使っていた。

あすかはまだ気付いていない。


「おーし、みんな集まれー」


練習中の部員達のそばに行き声をかけた。

までは良かったのだが…


「あすか!?」


「酒井!」


オレに気付いたあすかが盛大にコケた。


面打ちの練習をしていたため一歩踏み出したタイミングでバランスを崩した。

普段のあすかならそんなヘマをする事はない、ただオレの声を掛けるタイミングが悪かったようだ。


「大丈夫、あすか?」


「ダイジョブ、ダイジョブちょっとバランス崩しただけだから」


「酒井、どこか怪我してないか?ちょっと見せてみろ」


名のある大妖怪のあすかなら怪我などしてるはずはない、が、ここは他の生徒の目もあるのでこういったポーズも必要な時がある。



ー部活②ー


ポーズも必要な時もあるのだが今回はちょっと違うようだ。


「いた!」


「こりゃ足挫いてるな」


まさかの本当、鬼であるあすかが怪我をしてしまった。


「オレじゃどうしようも出来んから保健室に行くぞ。酒井ちょっと悪いな」


まあこういった状況ならこれが1番良いのだが、周りの反応がな~


「キャー!!お姫様抱っこ!羨ましいー」


「私もたくみ先生にされたーい」


「たくちゃん先生が酒井をお姫様抱っこ?!」


「俺が酒井を保健室までオブって」


こうなるんだよな。あすかは性格は明るいし見た目も悪くないし…簡単に言って美人だ。男子の人気もあるし女子からもモテる。

そんな子をお姫様抱っこなんてした日には…


「明日は学校中のウワサだな。すまんあすか」


〈あすか〉(・_・)


一周回って感情がなくなってる。それとも気絶してるのか?





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