14.Christmas

「まあ世の中というものは、自分が思っている以上によくできており、そして自分が思っている以上に理不尽だと思う訳よ」

 まるでどっかの宇宙人やら未来人やら超能力者とつるんでいる男子高生のようなことを言う父さんのことを無視してご飯を作った。てか杉□の物真似ウメーなおい。

 魚を朝からもっきゅもっきゅ食べるのは他の家ではどうなのだろうか。こういうとき修学旅行のときのクラスメイトのことでも思いだせたらいいのかもしれなかったが、俺はそこまで頭が回るようなこともなく、そもそも思い出す必要すらあったのかというかなりどうでもいい話に頭が回り始めたので考えることをやめた。ちなみにネロは朝御飯中に垂れ流された父さんの輪廻転生の解釈に興味津々であった。

 ……クリスマス? んなことは興味無い。しかし昨日(体感)準備はしたのでもうなるようになれといったところである。

 ちなみにクリスマスの我が家の晩御飯は家族全員でのケンタ〇キーである。これだけはブレたことがない。頼んだら父さんが取りに行ってくれるとのことなので午前中のうちに他の買い物も済ませちゃおう、ということになり、今俺とネロと父さんは車で近所のショッピングモールに来ている。ケ〇タッキーも入っている。

「人の多いこと」

 ネロがそう漏らすのも無理はない。ショッピングモールの中を例えるとしたら、『満員電車』というべきかというレベルで混んでいた。暖房が効いているといったレベルを通り越して蒸し暑い。

「こんな状態だとネロが心配だ。迷子になりそうだ」

「はーい……」

 入っていきたかったのだろうか。でも全てに興味を持ちそうだから父さんの判断は正しかったのかもしれない。そうして俺とネロは車内に残った。

 ネロと父さんが普通に話をしていて何故か嫉妬心が沸いたのは秘密にしておく。

 ところで、今気付いたのだが、

(今日母さんも帰ってくるよな……?)

 もちろんケン〇ッキーが目的で。ワーカホリックだの何だのはこの日は適用されないのだ。

(もしネロのことがバレたらどうすんだこれ!?)

 父さんの場合はもう不可抗力だと思いたい。

 どちらにしろ父さんは信じてくれたものの、母さんも信じてくれるとは限らないのである。

 それに、

(瞳が居ない中ケンタッ〇ー食べていいのか!?)

 端から見ればかなりどうでもいいことに俺は頭を悩ませていた。

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