12.副題の付け方忘れました
「クリスマス?」
クリスマスの文化って一体どんな定義なのよ、そもそもクリスマスって何よとその瞳が語る。瞳だけに。つまらないか。
宗教的なことはからっきしなので自分が知るお祭りとしての面を教える。
「そうクリスマス。世の中の恋人たちは浮き足立ち、そうでなくても浮き足立つ。十二月は二十五日に訪れるそれは、世界のお金というお金が回り、本来の意味であるキリストの生誕を祝うのはどこへやらって行事」
……宗教的なことは知らない。知らないったら知らない。
元々日本人ってものは祭りが好きだから多少はご勘弁を。
うん。誰に言ってんだ俺。
「やる。お祭りはどんな宗教だろうとやるったらやる」
乗ってきてくれました。じゃなきゃ俺泣いてた。
「よっしゃやるかクリスマス!」
ネロってどんな時代でしたっけ? まあいいや。
☆☆☆☆☆
「しかし、さしあたって問題がある」
「問題?」
「ああ。あと一週間ほど後だってことだ」
問題である。どうせやるなら当日が良い。でもこれどうするんだろう、という訳で。
しかもリサエルの番号を知らないときた。
そもそも番号なんて概念あっただろうか。
とりあえず着信履歴を開く。
「あった」
普通にありました。
「もしもし?」
「はいーなんでしょう?」
溶けたような声がする。
「もしかしてそっち暑いの?」
「そうですけどそれだけじゃだらけないですよ」
「暇なのね」
そうです、とまるで三日三晩家から出なかった社畜のような声がする。そもそも社畜に三日間の休みなんてあるのだろうか。
「で、何のようです?」
「次の日を十二月二十五日にしてくれない?」
早速本題に入る。
「タイムパラドクス的な方で大丈夫なんですかねそれ? ……えーと何々? 大丈夫みたいですね」
マニュアルでもあるのだろうか。
「こちらから上に連絡します」
「あのさ」
「なんでしょう?」
何を言おうか迷った。どうやら向こうも大変らしい。
「ありがと」
「どういたしまして」
脇でそんな会話を聞いていたネロは俺が電話を切ったとたんガッツポーズした。
そこからは準備をした。ネットで調べて、リースとか飾ったり、靴下を用意したりした。
クリスマスツリーも飾った。家にあるものはあらかた飾った。
全て終わったころには日が落ちて時計の針が八を指していた。
そこからは適当に余り物で野菜炒めを作って二人で食べた。ネロにはすぐにお風呂に入ってもらい、俺も風呂から出たときにはすでに部屋で寝息をたてていた。良い子良い子。
そのあと父親が家に帰ってきたが突然の家の変わりように驚いていた。元々祭りが好きな性分の父は、でも良いかと納得し、
「母さんは今日も仕事でそっちだと」
そう言い放った。
少々ワーカホリックじゃありませんかねうちの両親。
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ツイッターで土曜日更新できそうですとか言ってたのはどこのどいつなんでしょうか出てきなさい私ですごめんなさい頑張って更新します。
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