6.そして実行
とりあえず向こうの世界の連絡手段を探ります。
手っ取り早いので瞳さんの記憶から参照させていただきます。
瞳さんの額に手を当てて情報を探ります。あ、今更ですが一応人と話すときは人型になります。私の場合は女性型にしかなれませんが。
途中で彼女が「これはもしかして百合とかそういう系になるんじゃないの」とかなんとかぼやいていますが聞かなかったことにします。百合って何のことか分かりませんからね。
……ふむふむ。丸い押す部品や特徴的な手に持つ部品がある、『電話』というものが主な連絡手段のようですね。
次は彼女の家にその電話があるのかの確認をします。
幸い、瞳さんのお兄さんが持っているようですね。
私がさっき入手した情報と違い板状ですが問題は無いようなので大丈夫です。
声を送信するとのことで少し発声練習をしたあとに連絡するようにしましょうか。手を離して両足に均等に体重がかかるようにします。
「あいうえおあい、いうえおあいう、うえおあいう……」
隣で瞳さんが「何やってんだコイツ」みたいな目をしていましたが気にしません。ええ。気にしません。
何せ初めてのことなので緊張しているのでしょう。私はそう思いながら発声練習を終えました。
ところでどうやって連絡しましょうか。どうやら電話は電話同士で連絡を取り合うもののようです。
しょうがないので作っちゃいましょう。
私の力でその辺りをごり押しすれば多分大丈夫だと思います。たぶん。
再び瞳さんの額に手を当てて、電話の情報を更に探ります。
お兄さんのものをコピーしちゃいます。
ただの板のように見えますがこれで連絡を取れるようになるとは人間も進化したものですね。
あとは私たちの力でも動くようにして、これで大丈夫でしょう。
あとは電話をかけるだけです。
私はそしてスイッチを入れました。
そして光った画面を見てどうすればいいのか分からなくなりました。
操作の方法は全く調べていなかったのです。
とりあえず瞳さんに聞いてみましょうか。
「え? うん、そこをそうして、うんそこ……」
……何か忘れている気がしますが、気のせいですよね。
_____
天使がポンコツになりました。
どうしてこうなった。
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