欲望の名は

安直なぐらいが欲望を表すには相応しい。

理論的な言葉や気難しい建前を並べようとも結局の本質はただそこにあるだけで。言葉も建前も本音を彩る飾りでしかない。

赤色に彩られた欲望の名は恋慕。

黄色に彩られた欲望の名は嫉妬。

緑色に彩られた欲望の名は憎悪。

青色に彩られた欲望の名は悲哀。

どれも美しいようで実のところは醜い欲望である。

しかし解放されないのは、理性という絶対的王者が、いつだって首筋にナイフを突きつけているからさ。

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