母なる海に抱かれし命
春の海は邂逅。
光も届かぬ深い海の底で新しい命が、見たこともない壮大な世界に出会う。
夏の海は自由。
地球を覆う広い海の中で、育った命が流れに身を任せて、悠々と旅をする。
秋の海は決別。
陸との境目の砂浜の横で、恋する命が陸と海である意味と存在を理解する。
冬の海は哀愁。
場所を選ばず降りかかる雪の結晶に、年老いた命は死の訪れを鋭く感じる。
そしてまた季節は巡る。数多の命が夢見る為に。
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