ネタバレ『天使のいる図書館』

 昨日はただの感想だったので、ここでは映画本編について紹介したいと思う。

 主人公は、司書の吉井さくら(小芝風花)。

 知識は豊富だが、人の気持ちを感じたり、考えたりするのは苦手。

 泣ける本を尋ねられれば拷問に関する本を案内してしまったり、王子様が出てくる本を尋ねられれば「どこの国の王子様か? もっと具体的に」と言ってしまったりする。

 決して悪気があるわけではないのだが、どうしてもとんちんかんな行動をとってしまう彼女は館長の上嶋弘美(飯島順子)にも「もっと勉強せんとね」と言われ、さっそく『勉強』開始。

 物思いに耽りながらなぜか毎日長時間を図書館で過ごしている芦高礼子に一方的なレファレンスサービスをし始める。じつは礼子はさくらと一緒に働く、かつての教え子田中草一郎(森本レオ)に会いに来ていたのだ。二人は昔、互いに恋心を抱いていた。しかし、礼子は東京に嫁ぐことを決め、二人の恋は終わりを告げた。その後夫にも先立たれ、一人息子を育てた礼子。しかし、死が間近になった礼子は、どうしても故郷に帰りたいと一人奈良に戻ってしまう。心配した息子は礼子の孫である幸介(横浜流星)におばあちゃんについてやってくれと頼む。祖母の病気をさくらに告げられないまま、さくらと祖母を見守る幸介。

 一方、出張レファレンスを続けるさくらにも変化が。

 さくらには大好きな祖母がいた。しかし、その祖母が死んだとき彼女はどうしても涙を流すことができなかった。


 悲しいのに泣けなかったわたしは、冷たい人間。


 長い間自分を責め続けてきた心が、礼子と草一郎の関係を知るにつれてほぐれていく。

 そして、別れた時のまま止まっていた礼子と草一郎の時計もやっと動き出す。


 ともすれば深刻になりがちなストーリーが個性豊かなキャラクターたちにより、雪解けあとの春のようなあたたかさで進んでいく。

ぜひ、ご覧下さい!


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