オリエント急行殺人事件ができそう 青の交響曲

 先日、青の交響曲ブルーシンフォニーに乗ってきた。

 青の車体が超かっこいい! この列車。特に鉄道好きでもない父が、春から乗りたがっていた(多分、酒とつまみを楽しみたかっただけ)列車である。せっかくだから父への誕生日プレゼントにと(ちなみに父の誕生日はよく漫画のキャラとかの誕生日に設定されている)乗車1ヶ月前に近鉄の窓口に並んでみた。で、運よくとれた。

 というわけで、初めて車体目当てに電車に乗った。

 その日阿部野橋に着いたのは、発車20分以上前。まだ乗車もできない。

 しかし、やつはいた。

 そして早くも写真撮影会がそこかしこで行われていた。

 ――はっきり言って、超楽しい。超テンションあがる。

 インスタやってるわけじゃないけど、わたしもカメラアングルとか気にして撮ってみた。ガラケーで。

 そして、乗車時間はやってきた。

 車内に入ってまず思ったのが。


 ――オリエント急行殺人事件ができそう。


 言ったら、妹もまったく同じ感想だった。

 内装はおしゃれなのだ。レトロなのだ。頭上の荷物置きは鈍い金色こんじきなのだ!(そこは関係ないやろ! と誰か突っ込んどいてください)

 しかし、そのおしゃれさはオリエント急行殺人事件なのである。探偵役は野村萬斎で! と言いたくなるほどの。(いや、1時間半の間に殺人起こして、解決して、人間ドラマしては時間的に無理があるか)

 ずいぶん物騒なおしゃれさもあったものだが、吉野に着くまで非常に楽しく飲み食い……いやいや、過ごせた。いっそ、鈍行並みの速度で本格的な食事も楽しめたらなあと思ったほどである。1日に二往復。たった4本しか走ってないが、ちょっとした家族旅行にはぴったりの電車である。特に桜の季節と紅葉の季節は最高だと思われる。(でも、吉野に着いたら行きは登坂、帰りは下り坂だから、くれぐれも車内で飲みすぎないでね。あなたが行く頃には運休中だったケーブルカーが動いてるといいね!)

 時期は少し早かったが、乗ってよかったと思った列車だった。

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