第8話 身バレ妄想曲

夢想しながら茶碗を片付けていたら

戸棚に頭を強打した


素晴らしいアイディアが

ほぼ完成形だった構想が

一瞬にして消えた


何でこんな時間に洗濯機を動かし食器洗いをしておるのだろう私は


そうだ

さっきまで仕事をしていたのだ


いやまて

家事仕事ではない

職場からの持ち帰りの仕事である

当然 残業代など出ない


しかし そこまでしないと終わらぬ



それなりに給料を頂いている身である

あれだ


飲み屋で知り合ったオネェチャンとかに

自分の職業をゲロってしまうと

ちょっぴり引かれる系程度に

世間的にみても「あー」と哀れみをもって

若しくは「ぇえ? 」と意外性をもって

そして「それって○○なんでしょう? 」とか

根も葉もないイメージを持って語られる

そんな程度には知られている職業である


あんまり言えばバレてしまうから

匂わす程度にしておこう


つーか

ここはネットなので

こうして書いていることも

フィクションである可能性が高いということに

賢明な読者諸君は気が付いて居るであろう


もしかすると漏れは弱小企業のSEかも知れない

もしかすると漏れは幼稚園で「先生」と呼ばれるような職業かも知れない

もしかすると漏れはTV局で扱き使われている職業かも知れない

もしかすると漏れは「自分は」と自分のことを語るような職業かも知れない

もしかすると漏れは政治に関わる職業かも知れない

もしかすると漏れはどっかの会社のパートのおばちゃんかも知れない

もしかすると漏れは……


ネットなら自分を好きに取り繕うことができるから便利だなと思う


よし

実は結構知られている大作家先生がお忍びでこれを書いていることにしてみよう

とか

そんな荒唐無稽な妄想も叶えられちゃう世界だったりするんだなこれが


わぁ 夢があるなぁ


……とかいっている暇があったら とりあえず寝よう

まぁ、現実はいわゆるブラックですよ


身体を壊さない程度にゆるく頑張るザマス

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