2016/10/16 人として

 私はどうして生きているのだろう、何故生かされているのだろう、そう問われて答えてれる人など居なく、生きる意味が見つからない、無駄な機関が私、この無用な人形ひとがたに意味を。


 看護師と話す、精一杯人の振りを仕立して、私に必要な物はと問う、答えは返ってこない。


「私は必要なの?いらないと思うのだけれど」

「必要ない人間なんていないと思うんだけどなぁ」


 なら証明してくれ、と、偉そうな事を思い、止めた、人じゃあないんだよ、私。人じゃないから必要ないんだろう。


 あ、嗚呼そうか、ああ。


 ここまで書いて漸く気が付いた。

 思うが私は誰の言葉にも耳を傾けていない、主治医も看護師も友人も私を人として認識している、人であると言っている、それを拒んで自分で勝手に苦しんでいる、馬鹿馬鹿しい、恐ろしいほどに馬鹿で頑なで、こんな事を思っているから今迄を無駄にしていると、漸く、気付けた。

 しかし此れから人の言葉を受け入れていくとして、どう生きていればいいのか。退院したら一人で生活することになる、最低でも一年はそうしていかなければ為らないが、生きていく意味が見つけられないならまた、

 どうしようどうするどうしたい?私が人であるなら望みがあるだろう、何も望みがない、生きていく糧が無い。

 友人らのように夢を、なんて夢など持てなかった、追いかける夢がない。

 強いて言うなら、誰かに求められたい、求めてくれ、何でも使よう、何に使ってくれても構わない。

 だが、其れは矢張り、良くないんだろう、私のしたい事ではない、だろうな、これでは依存だ、答え無い。

 目先の事は考えられる、その先が見えない、今まで自由を自分で捨てて来たから、自由がわからない、誰かに答えを委ねたい、いや自分で考えなければ。

 それでも、私を求めてくれる人がいるなら聞きたいことがある、


 ―ネェ、何かして欲しい事は無いかい?

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